特集 一緒に防ごう!鳥獣被害 「熊が市街地に現れて人が襲われました」「イノシシが畑に入り農作物を荒らしました」といった報道が、近年全国的に増えていると感じませんか。本市でも昨年、美原町の住宅駐車場に熊が現れたり、鳥獣による農作物等の被害地域が広がったりしています。もはや山間部だけの問題ではなくなっているのです。  今回の特集では、安全に暮らすために、私たちができる鳥獣被害防止対策を紹介します。 ●問合せ 本所農山漁村振興課?35‐1298 冬眠に向けて太った熊 イノシシによりなぎ倒された稲 本市の鳥獣被害の現状  有害鳥獣による令和4年度の農作物被害額は、約1、518万円。減少傾向ではありますが、近年、イノシシによる被害額は増加しています。  田畑をイノシシに荒らされたり、出荷直前の農作物を熊や猿に食べられたりすると、農家の収益にも影響が及びます。鳥獣被害によって農家の営農意欲が奪われるという問題にもつながっています。  また、被害地域は年々広がっていて、比較的山間部ではない鶴岡地域でも農作物への被害が発生するようになっています。更に、市街地まで熊が出没する事例も確認されており、人の生活圏に鳥獣を寄せ付けない・留まらせない対策が重要です。 ▼本市の有害鳥獣による農作物被害額の推移 ※令和2年度は餌不足のため増加。 鳥獣対策の鉄則! 3つの柱  鳥獣対策は、「生息環境管理」「侵入防止対策」「個体群管理」の3つが基本です。この3つの活動を地域ぐるみで徹底できるかが、対策の効果を大きく左右します。 @生息環境管理 放任果樹の伐採、刈り払いによる餌場・隠れ場の撲滅 A侵入防止対策 柵の設置等による被害防除 B個体群管理 鳥獣の捕獲 本市の鳥獣対策支援 ■各種設備・活動への補助 電気柵、防鳥ネット、侵入防止柵等の購入、地域が主体となって行う鳥獣被害防止対策の活動経費 ■狩猟免許・銃所持許可の取得に掛かる費用の補助 ※ほかにも、鳥獣被害防止に関する講習会を行っていますので、お気軽にご相談ください。 個人、地域で取り組もう!鳥獣対策 POINT! @寄せ付けない! 隠れ場をなくしましょう  家や田畑の周りの茂みは、鳥獣にとって格好の隠れ場所です。茂みを刈り払い、見通しを良くしましょう。  また、周辺に鳥獣が出没しているときは、車庫のシャッターは閉め、自動ドアは手動にしましょう。 餌場をなくしましょう  鳥獣が餌場と認識する前に周りの環境を整えることが大切です。 ・ごみ(特に生ごみ)を屋外に置かない ・収穫しない果樹(放任果樹)は思い切って伐採する ・野菜くずなどは農地や山際に捨てない ※柿は様々な動物の好物です。収穫しない柿の木は思い切って伐採しましょう。 猿は追い払いを行いましょう  鳥獣が餌場と認識する前に周りの環境を整えることが大切です。 ・ごみ(特に生ごみ)を屋外に置かない ・収穫しない果樹(放任果樹)は思い切  って伐採する ・野菜くずなどは農地や山際に捨てない  猿を見たら追い払い用花火を発射する、フライパンをたたくなど、大きい音を出しましょう。  また、近くでこうした音が聞こえたら、その音を合図に多くの人で追い払いに参加しましょう。「居心地の悪い集落」と猿に学習させることが大切です。 POINT! A囲って守る! 農地や自家用菜園などを守るのに欠かせないのが侵入防止柵です。 柵ごとの特徴を把握し、対象動物に合わせて種類や高さ、設置方法を決めましょう。 電気柵 熊をはじめとした獣類全般に有効 ワイヤーメッシュ柵 熊、猿、ハクビシンを除く獣類全般に有効。 ※ほかにも、ネット柵は鳥類やハクビシン、トタン板は、イノシシ、タヌキなどに有効。 鳥獣に遭遇したときは? ●熊の場合  刺激せず、落ち着いて背を向けずに、その場から離れてください。詳しい対処法は、環境省のホームページをご覧ください ●イノシシの場合  熊と同様、刺激しないでください ●猿の場合  大声や大きい音を出して、追い払いましょう B捕獲活動に尽力されている猟友会の方々にインタビュー! 鶴岡支部鶴岡分会 本間 敬三さん  狩猟免許を取得してから50年になりますが、特に熊の出没は増加していると感じます。私は、鶴岡地域で捕獲に当たっていて、市街地での捕獲の際は、猟銃の使用に十分注意を払っています。  熊が出た際は、パトロールカーでお知らせしていますが、家から出て外の様子を伺うことは大変危険ですので、絶対にやめてください。住民の皆さんには、庭の柿や野菜のくずを放置しないなど、できることから鳥獣被害対策に取り組んでほしいです。 ? 鶴岡支部朝日分会の皆さん   熊をはじめ、猿やイノシシ、鹿の捕獲や集落の巡回を行っています。昨年は、朝日地域だけで約70頭の熊が出没しました。昔は、自ら山奥に入って熊の捕獲を行っていましたが、25年ほど前から、朝日地域の集落にも出没するようになりました。山の中の場合、断崖絶壁で活動を行うこともあるため、細心の注意を払っています。自分の身の安全にも気を付けながら、鳥獣被害抑制のために捕獲活動に全力で当たっています。 ? 鳥獣の捕獲には免許が必要です! ■猟銃等初心者講習会 日時:6月27日(木)午前9時 場所:酒田警察署(酒田市) 費用:6,900円 申込み:5月27日(月)〜6月19日(水)に鶴岡警察署?28‐0110へ ■狩猟免許試験 日時:7月20日(土)午前9時 場所:庄内総合支庁(三川町) 対象:銃猟は20歳以上、わな猟は18歳以上の方 費用:5,200円から 申込み:6月10日(月)〜24日(月)に山形県みどり自然課?023‐630‐3042へ その他:6月8日(土)に免許試験のための講習会あり。詳しくは県ホームページまで