デザインで 人と人とをつなげたい 人(ひと)の情景(じょうけい) scene 12 大瀧香奈子 Kanako Otaki グラフィックデザイナーの大瀧香奈子さん。イベントのチラシや商品パッケージなど様々なデザインを手掛けています。昨年5月、勤めていた市内のデザイン会社から独立し、現在は個人で活動しています。 ?「前の職場でデザインの制作だけでなく、制作物全体の総括責任者も担わせてもらえた経験が、大きな自信になりました。また、小回り良く、お客様と一緒に並走して作り上げていくことができたら良いな、とも思っていたので、模索した結果、独立することに決めたんです」。  大瀧さんはもともと、写真撮影や絵を書くことが好きだったそうです。 「何か面白そうなことをやりたい」「デザインってどういう感じかな」という思いから、東京にあるデザイン専門学校に進学することに決めました。 ?「2年間専門学校で学んだ後、鶴岡に帰ってきました。地元に戻ろうと決めてはいませんでしたが、暮らすとなると地元が性に合うなと感じてはいたんです。市内のデザイン会社に就職が決まったことも、自分を導いてくれたのかもしれません」。  大瀧さんがデザインを手掛ける際に心掛けていることは、お客様とじっくり対話をすること。お客様の思いを大切にしたいのと、対話の中からヒントをもらって、デザインに転換できないかと考えているためです。 ?「デザインは、よくセンスが大事≠ニ言われますが、私は元から何かがあるわけではなくて、日々の勉強と様々な経験が発想につながっています。自然やほかのアート作品からヒントを得ることもありますよ」。  これまでデザインの制作で苦戦したことがあるか尋ねると?「毎回悩んでいますね。デザイナーごとに答えが違いますし、お客様にとっては、自分の答えが唯一のデザインになるので、これで良いだろうか、といつも試行錯誤しています。」と話す大瀧さん。その上で今後の目標についても語ります。 ?「デザインの役割は人と人とをつなげることだと思うんです。私は、中小企業や個人事業主の方と仕事をすることが多いのですが、事業者の課題は地域課題につながっているところもあると感じます。事業者さんを応援することで、元気で魅力的な地域にする手助けができたらと思っています。また、カメラマンやクリエイターの方など、いろんな人とつながって、様々な仕事をしていきたいです。それで、庄内のデザインや生み出されるものをもっと魅力のあるものにしたいですね」。  これからも生み出され続ける大瀧さんのデザインに期待が高まります。 ▲ 大瀧さんがデザインしたチラシや冊子 ▲ 自身の商品をPRしたい方向けに昨年開催した「伝えるデザイン相談会」の様子 ▲ 湯殿山でのスノーハイク。一眼レフカメラも必ず持っていきます 大瀧香奈子 (おおたき・かなこ)さん(41) 鶴岡市櫛引地域出身。鶴岡北高校卒業後、東京デザイン専門学校へ進学。卒業後は鶴岡市内のデザイン会社に就職。昨年5月に独立し、FUNE(デザイン室フネ)を起業。市内で走行している観光タクシーのデザインも手掛けた。休日は外で過ごすことが多く、登山やヨガ、夏はSUP(サップ)、冬はスノーボードなど庄内を満喫している。