― 特 集 ― 「ありたいまちの将来の姿」 鶴岡市中心市街地将来ビジョン 問合せ 本所都市計画課?35‐1302 ビジョンを策定した背景  本市では、歴史的な景観を大切にしながら、緑豊かな鶴岡公園周辺に、公共施設を中心とする都市機能の集積を進めてきました。  また、中心市街地活性化基本計画(第1期・第2期)を策定し、様々な事業を行ってきました。  しかし、中心市街地は、人口密度の低下や空き店舗・空き家の増加などで、まちの空洞化が進んでいます。  そのため、市民・事業者・行政が「ありたいまちの将来の姿」について、認識を共有し、中心市街地の課題解決に連携して取り組むよう、今年3月に市と鶴岡商工会議所が共同で、″鶴岡市中心市街地将来ビジョン≠策定しました。 人口減少の中、必要なこと  6市町村が合併した平成17年10月に約14万2、000人だった人口は、今年3月末現在で約11万8、000人に減少しました。  今後も人口減少が見込まれる中、対策と合わせて次世代に引き継げる、持続可能なまちづくりを行っていくことが必要です。  その鍵を握るのが「多極ネットワーク型まちづくり」。中心市街地、その周辺の生活拠点、郊外や各地域の地域拠点などをコンパクトに形成して、それぞれを地域公共交通等で結ぶ取り組みです。  経済・サービスを生み出す都市部と、農林水産業の基盤ともなっている郊外部は、相互に支え合っている関係にあります。多極ネットワーク型まちづくりを進めることで、都市部と郊外部がともに暮らしやすくなると考えています。 中心市街地を元気にする意義  城下町の礎を築いた酒井家入部以降の歴史的経緯からも、中心市街地は広大な市域の中核を担っています。今後も一定の人口密度を保ち、公共と民間それぞれの機能を維持・拡充できれば、既存のサービスの継続と、新たなサービスの提供という好循環も期待できます。 持続可能なまちをつくる  本ビジョンはおおむね15年後の中心市街地の姿を描いています。歴史文化資源を更に磨き、関係人口・交流人口の増加を図りながら、持続可能で暮らし続けられるまちを目指します。また、本ビジョンを基に、第3期中心市街地活性化基本計画を策定し、効果的な施策に取り組んでいきます。 中心市街地の区域 鶴岡駅〜鶴岡公園周辺の約150ha ▲効果検証の継続性を確保するため、第2期中心市街地活性化基本計画と同一 ▲医療・福祉・子育て・商業等の機能を、都市の中心拠点や生活拠点に誘導し集約する「都市機能誘導区域」 鶴岡駅 つるおか食文化市場FOODEVER 荘内病院 総合保健福祉センター「にこ?ふる」 鶴岡公園 まちづくりスタジオ鶴岡Dada 鶴岡市役所本所 鶴岡タウンキャンパス 荘銀タクト鶴岡 策定委員会委員長メッセージ 地域の課題解決に重要なのは、共通認識を持ち、連携すること 鶴岡商工会議所 会頭 上野 雅史(うえの まさし) 氏  鶴岡市が消滅可能性都市と指摘されて10年になります。まちづくりは15年、30年で成果が見えてくると言われ、今が最後のチャンスという思いを持って、ビジョンをまとめました。  本ビジョンの策定に当たっては、「市民ワークショップ」「民間事業者ヒアリング」「アンケート調査」を行い、幅広くご意見を頂きました。  様々な意見、様々な立場がありますが、市民、事業者、行政が同じ方向を向いて物事を考え、取り組むことが重要であると考えています。 鶴岡市中心市街地将来ビジョンのキャッチフレーズ できる うみだす あなたのまちなか 今はできないことが多くても、これからできることを生み出し、まちづくりに自分事として関わることができるといった思いが込められています。これを合言葉に、「賑わい」「居場所」「観光」「居住」「移動」の5つの観点から、ありたいまちの将来の姿≠設定しました。 キーワードは「できる」 ありたいまちの将来の姿 @賑わい 「おいしい」「たのしい」ができるまち 必要なこと▲▲▲ 食文化創造都市ならではの多彩な催しと、ひと中心≠フ魅力あふれる通り、広場、店舗を生み出す A居場所 私のお気に入りの場所を見つけることができるまち 必要なこと▲▲▲ 多様な目的で滞在でき、学び・探求・創造性と交流を育む拠点を生み出す B観光  城下の歴史や食を巡る「まち歩き」ができるまち 必要なこと▲▲▲ 重層的な地域資源等を活用して一日中楽しめる観光エリアを生み出す C居住  広い空の下で安心・快適に暮らすことができるまち 必要なこと▲▲▲ 良好な景観を維持し、災害に強く、多様なライフステージに応じた居住環境を生み出す D移動  気軽におでかけできるまち 必要なこと▲▲▲ 安全快適な歩行者・自転車空間や、便利な公共交通等によるアクセス環境を生み出す 鶴岡市中心市街地将来ビジョンはこちらからご覧になれます インタビュー 住んでいる人も観光で訪れた人もハッピーと思えるまちに INSIDE TSURUOKA代表 全国通訳案内士 岡部 浩美(おかべ ひろみ) 氏  昨年の3月にインバウンド関連事業で起業し、同年5月から駅前に拠点を構え活動をしています。観光に携わっているので、交流人口を増やし中心市街地のにぎわいにつなげたいと考えています。そのためにも、住んでいる人たち自身が誇りに思えるまちであってほしいです。地域住民が幸せそうであれば、お客さんにも伝わり、良い交流が深まっていくと思います。 商店街が連携して夏祭りを実施 駅前に居場所を作るための社会実験(高校生と庄内出身のゲストの交流) Dada広場で行われた音楽イベント 市内循環バスは中心市街地を結びます