特集 ユネスコ食文化創造都市 認定10周年  文化や芸術における7つの分野で、特色のある創造産業を持つ都市が認定されるユネスコ創造都市。2014年に、鶴岡市は国内で初めて〝食文化〟の分野で認定されました。  今年の12月で認定から10周年。これまでの市全体での食文化普及活動などが高く評価され、3月には「美食都市アワード2024」を受賞しました。これからも食文化を次世代につなげる取り組みを進めていきます。  ■問合せ 本所食文化創造都市推 進課☎35‐1185 ユネスコ食文化創造都市である理由  本市の食文化の魅力は、主に3つ。次に挙げる理由からユネスコ食文化創造都市に認定されています。 ①60品種の在来作物が現存  だだちゃ豆や孟宗(もうそう)、温海かぶなど60品種の在来作物が、市内の特定の地域で長年栽培されてきました。 ②精神文化と結び付いた食文化  出羽三山に参拝する人に提供されてきた精進料理、黒川能の王祇祭で振る舞われる凍み豆腐など、精神文化と食文化が密接に結びついて発展してきました。 ③行事食や郷土料理の継承   孟宗汁や寒鱈(かんだら)汁、12月9日の「大黒様のお歳夜」で食べられるハタハタの田楽や納豆汁など、地域や各家庭で季節ごとの行事食や郷土料理が作られ、継承されてきました。 10年間の取り組み  認定されてからの10年間、市では様々な方や団体と協力しながら、主に次のことに取り組んできました。 ●食文化の継承 ・郷土料理のレシピ集『つるおかおうち御膳』の改訂版を発行 ・子供たちへの食育、食文化学習を支援 ・鶴岡伝統菓子雛(ひな)菓子、笹巻、とちもちのシンポジウムを開催 ●料理人の育成 ・「食文化創造アカデミー」開講 ・海外のユネスコ食文化創造都市に料理人を派遣 ・若手料理人同士が競うコンテストを開催 ●交流人口の拡大 ・ミラノ国際博覧会やパリで食文化をPR ・鶴岡ふうどガイドによるフードツーリズムを展開 ・庄内酒まつり等の交流イベントを開催  また、市だけではなく、飲食店や企業、市民団体、教育機関などが鶴岡の食文化を広めるために活発に活動しています。 ▲鶴岡ふうどガイドの案内で、海外の方が温海かぶ収穫を体験 ▲第1回鶴岡No.1料理人決定戦(2020年) ▲「庄内の笹巻製造技術」が国登録無形民俗文化財に(2024年) 次の10年、更にその先へつなぐ FOOD HUB KITCHEN サスティナ鶴岡 詳しくはこちら 私たち大人が、食文化をしっかりつないでいく ー活動を始めた理由は  子供たちが家で郷土料理などを食べる機会が少なくなってきました。このままでは鶴岡の豊かな食文化が途切れてしまうのではないかと思い、活動を始めました。 ー大切にしていることは  鶴岡でしかできない食の体験を子供たちに提供すること、そして、体験で終わらせないことです。例えば、うどんの生地を練って畳むまでを活動の中で行い、あとは家で切ってゆでてもらう。食の体験をふだんの生活に落とし込むことで、食文化は継承されていくと思います。 ー今後の目標は  参加した子供たちが、将来、生産者や料理人になってサスティナ鶴岡の活動を続けてくれたり、県外に住んでも旬の食材や郷土料理を楽しみに鶴岡に帰ってきてくれたりしたら、うれしいですね。今後は、ふだん食に携わっていない人や企業も巻き込んで、幅広く活動していきたいです。 サスティナ鶴岡 代表 齋藤 翔太(さいとう・しょうた) さん ふだんは、和食の料理人です! 一人ひとりが食文化継承の担い手  受け継がれてきた食文化は、食べる人や作る人がいなくなれば、衰退してしまいます。つまり、私たち一人ひとりが食文化継承の担い手です。  本市の豊かな食文化を次の世代につないでいきましょう。 ●食べる・作る ・産直やスーパーなどで鶴岡産の食材を買って食べる ・季節に合わせて、郷土料理や行事食を作ってみる レシピ掲載中! ●知る・アピールする ・鶴岡の食文化の魅力を知る ・市外の知人や子供たちに、鶴岡の食文化をアピールする 鶴岡食文化創造都市推進協議会ホームページ 「冬になると、寒鱈汁を食べるんだよ!」 公開中! 10年間を振り返る座談会 鶴岡の食文化の普及に向けた、これまでの活動を振り返ります。