特集 つるおかの 学校給食 小・中学校に提供する給食を作っている給食センターは、市内に5つあります。  「学校給食発祥の地」でもある本市では、地元産の豊かな農・海産物をふんだんに使ったメニューを提供しています。  この特集では、本市の学校給食に込めたこだわりを紹介します。 ●問合せ 鶴岡市学校給食センター☎22‐0411 1 鶴岡の学校給食の歴史  日本で学校給食が始まったのは明治22年。鶴岡市のお寺に設けられた私立小学校で、昼食が提供されたのが最初と言われています。貧しくて弁当を用意できない子供たちに昼食を用意し、勉学の機会を与えていたそうです。  本市の学校給食の歴史を、当時のメニューとともに振り返ってみましょう。 ●発祥当時 おにぎり、鮭の塩引き、煮びたしや漬物 1889 明治22年 常念寺の佐藤霊山を中心とした僧たちが、大督寺内に設けた私立学校「忠愛小学校」の生徒に昼食を提供。托鉢(たくはつ)で資金を集めたという。 1910 明治43年 藤島地域の東栄小学校で「めし給食」を実施。 ●昭和21年頃 コッペパン、けんちん、ミルク 1951 昭和26年 鶴岡地域の小学校で完全給食が始まる。 ●昭和62年頃 小さい牛乳ツイストパン、 リャンパンメン、鶏肉の朝鮮焼き、ミニトマト、牛乳 1988 昭和63年 昭和52年に始まった米飯給食が週3回になる。それまではパン食が中心の献立だった。 2002 平成14年 地域産物を用いた「オール鶴岡産給食」を実施。現在も「鶴岡いっぱいウィーク」として地元産食材を活用中。 ●平成14年頃 マイタケご飯、山菜汁、マグロのピーナッツあえ、イチゴ、牛乳 2022 令和4年 給食の残菜や野菜くずを堆肥にし、その堆肥で育てたお米を「SDGs鶴岡エコ米給食」として提供。 2 メニューこだわり  市では、学校給食を通じて、子供たちが地域の食文化に触れる機会を作るとともに、食材の地産地消の後押しに取り組んでいます。  メニューを考えている栄養教諭にお話を伺いました。 鶴岡市学校給食センター 栄養教諭 五十嵐さん  市内には、鶴岡(羽黒地域にも提供)・藤島・櫛引・朝日・温海地域に給食センターがあります。  1日に約9、000食を作っています! ●郷土食と行事食  鶴岡には、四季折々の旬の食材を汁物に取り入れる文化があります。 給食では、郷土食として春に「孟宗(もうそう)汁」、夏に「だだちゃ豆のみそ汁」、秋に「庄内風芋煮」、冬に「寒鱈(だら)汁」などを提供しています。  また、行事食に触れる機会として、12月の「大黒様のお歳夜」、1月の「小正月」など、季節の行事で食べられているものを献立にしています。 孟宗汁 タケノコはもちろん鶴岡産。酒粕も市内の酒蔵のものを使っている。 ●地元産食材の活用  地域によって様々な食材があることから、各給食センターで献立を統一せず、特色あるメニューを組んでいます。  新鮮な野菜だけでなく、鼠ヶ関や由良の港で揚がった魚や、庄内産の豚肉、鶴岡産大豆を加工した味噌(みそ)や生揚げ(厚揚げ)なども積極的に使い、地産地消に取り組んでいます。 生揚げ(厚揚げ) 市内の業者が作った豆腐を使用し、1枚1枚、包丁で切り分けている。 ●スマート・テロワールで食の地域循環を後押し  「スマート・テロワール」とは、農畜産物の生産・加工・消費を地域の中で循環させ、持続可能な食料自給を目指す取り組みです。市や山大農学部等が中心となり推進しています。  子供たちに大人気のリャンパンメンや麦切りは、鶴岡産小麦「ゆきちから」を100%使用しています。 リャンパンメンの乾麺 冷たい中華麺の一種。市内の業者が鶴岡産小麦を原料に加工している。 ワラサのチリソースや、フルーツサンドも出るんだってね。 父さんは市外の出身だけど、こんな給食食べたことないよ。おしゃれで手が込んでて、鶴岡で育つ子が羨ましいなぁ。 自分で握る「セルフおにぎり給食」とか、楽しいのもあるよ! この前、センターに見学に行ったんだ。調理師さんにお手紙書いたんだよ! きゅうしょくセンターさんへ  いつもおいしいきゅうしょくがうますぎてとめられないです。 3 つくってみよう!学校給食  市ホームページでは、約70種類の学校給食レシピを公開しています。ぜひ、ご家庭でも作ってみてください。 給食を作って23年! ベテラン調理師さんのおすすめは?  私はポテトあんかけが好きで、家でも作ります。ですが、給食と同じ味にはならないんです。大鍋で一度に調理するからこその味わいなんでしょうね。  シンプルな食材、昔ながらの味付けのメニューも、楽しんで食べてくださいね。 献立表を公開しています 学校給食レシピはこちらから