【特集】 ―農業の道を切り開く、鶴岡市立農業経営者育成学校 SEADS開校5周年 【問合せ】本所農政課?35-1295 鶴岡の“食”を支える農業の第1歩をここから  新規就農者向けの研修施設である、鶴岡市立農業経営者育成学校「SEADS」(以下シーズ)。行政・JA・民間企業・教育機関が連携した“オール鶴岡体制”で研修生をバックアップし、これまで27人の修了生が農業の道に羽ばたいていきました。  鶴岡市の農業産出額は、東北地方の市町村で7位、県内では1位を誇っています※。現在、本市の農業者数は約4,000人。毎年約40人が新たに農業を始めている一方、毎年約160人が離農しているため、今後の担い手の確保は一層重要となっています。こうした中、習得に長い期間が必要な農業技術をより効果的に学ぶ場として、シーズの役割は大きくなっています。  シーズの1学年の定員は10人。2年間の実践研修のほか、就農に必要な資金の調達や農地の確保、販路の開拓までを一貫してサポートしています。少人数制であることから、研修生同士の横のつながりが強くなったり、修了生・視察先の先輩農家など幅広い人たちと交流できたりする点も研修生から高い評価を得ています。  開校から5年。シーズはこれからも鶴岡市の農業を支えていきます。地域の農業に興味がある方は、入校を検討してみませんか。 ※農林水産省 令和5年市町村別農業産出額 研修生×修了生×校長 クロストーク 研修生(第6期生) 新関(にいぜき) ゆみ さん 修了生(今年3月修了) 今井 達夢(いまいたつむ) さん 百瀬 清昭(ももせきよあき) 校長 新関さん 大学を卒業して約19年間勤めていた冠婚葬祭の会社を退職して、今年4月に入校しました。農業の道に進んだきっかけは、2年前に亡くなった義父の「悔いのない人生だった、幸せだった」という言葉。私もそういう人生を送りたいと考えたとき、専業農家をしている両親が大切にしてきた畑の価値を知らないままでは後悔すると思ったんです。 今井さん 私は市内の非農家出身で、以前は東京で出版業を営んでいました。都内の飲食店で鶴岡産の野菜が使われているのを目にすると、地元の食材の品質や味が信頼されているのを実感し、なんだか誇らしかったです。一方で、鶴岡市の農業者の平均年齢が約70歳と知ったときは衝撃でした。それがきっかけの1つになり、農業を始めようと思ったんです。 百瀬校長 本市の担い手不足は深刻な状況です。若い農業者を育てていかないと、農業生産だけではなく、農村地帯が衰退します。だからこそ、就農希望者を手厚くサポートし、プロフェッショナルを育成することが大切であり、シーズの使命です。 今井さん 私のように一から農業を始める人でも、独立自営就農の道を切り開けるようにサポートしてくれるのがシーズの強みですよね。 百瀬校長 シーズには様々なバックグラウンドを持った人が同じ志を持って入校してきます。前職で培った経験は、農業にも必ず生きるはず。同じように我々スタッフも研修生から学ぶことがあるんですよね。  新関さん 確かに、前職で実践を積み重ねて成長した経験があるから、「農業という新しい分野に転身しても自分ならやっていける」という自信があります。私の目標は、独立して経営者になること。そして、いずれは私のように志を持った人を育て、導く立場になりたいと考えています。 百瀬校長 農業経営をする中で、女性ならではの感性や視点が生きる場面はたくさんあります。新関さんには、いつか研修生の実習受け入れ農家になっていただきたいですね。 今井さん 私は、農業に対する3K(きつい・汚い・苦しい)産業のイメージを覆したいと思っています。従業員に寄り添い、一人ひとりに合った働き方を実現できる経営者になりたいです。 百瀬校長 これからの農業は、「夢がある・役に立つ・やりがいがある」の3Y産業の時代。これがキーワードです。 新関さん 農業の良さは、自分が頑張った分だけ成果が返ってくること。私にとって、最高の仕事になると確信しています。 開校5周年祭 開催!  シーズの修了生など若手農業者が育てた生産物の販売や学校案内ツアー、親子で楽しめる芋掘り、芋煮の振る舞いなど、農業について学びながら楽しさを体感できる内容が盛りだくさんです。  皆様お誘い合わせの上、ぜひお越しください。 日にち:10月25日土曜日 時間:午前10時〜午後2時 場所:同校 備考:芋掘りの参加は事前に申込みが必要です 入校体験会  シーズの魅力を詰め込んだ2日間。座学と実習の両方を体験したり、農業関連施設の見学をしたりすることができます。研修生や地元の農家さんたちとの交流もあります。 日にち:11月1日土曜日・2日日曜日 定員: 10人  申込み:10月28日火曜日まで 問合せ:同校?76-3220