特集 地域とともに未来を切り拓(ひら)く   〜東北公益文科大学の公立化〜 平成13年に公設の私立大学として開学した東北公益文科大学(以下、公益大)。これまで地域の課題解決に貢献する人材を多く輩出してきました。公益大は、来年4月に私立大学から公立大学に移行し、新たなステージに進もうとしています。本特集では、公立化することでどのように生まれ変わるのか紹介します。 問合せ 本所政策企画課?35-1184 ※令和8年4月の公立化に向けて認可申請中。 公益学を学べる唯一の大学 日本で唯一「公益学」を体系的に学ぶことができる公益大は、山形県と庄内地方の14市町村(当時)が設置費用を負担する公設民営の私立大学として酒田市に開学しました。同大学では、公益学を「地域や社会の課題に取り組む様々な学問を、公益という観点から多面的・統合的に探究するもの」として捉え、学問として確立することを使命としています。 平成17年には、本市に大学院を開設。留学支援や、地域づくりを支援する地域共創コーディネーターの養成など、特色ある取り組みを進め、地域や社会の課題を解決する人材を輩出しています。 私立大学から公立大学へ 公益大には、未来を担う人材育成や地域の活性化への貢献など、地域の高等教育機関として大きな期待が寄せられています。  少子化で多くの私立大学が定員割れとなる昨今。公益大が存続し続けるためには、大学の魅力を更に高め、県内外からの学生を安定的に確保するなど、経営基盤を強化する必要があります。こうしたことから、大学と県および庄内2市3町は、公益大の公立化と機能強化の検討を重ね、今年9月、公立大学への移行等について国に認可申請を行いました。 公立化によるメリット 県や市町が運営費を負担することで安定的な大学経営が可能となるとともに、より地域に根ざした教育・研究の実践が期待されます。 また、授業料などの学生納付金が国立大学と同程度になり、学生の経済的な負担が軽減されます。 公立化と同時に国際学部を新設 語学スキルと幅広い視野を養い、国際社会に対応する力や多文化共生を推進する力を高めるため、国際学部が新設されます。 異文化や自国文化への見識を身につけ、地域社会の国際化やグローバル社会の発展に貢献する人材を育成していきます。  地域の未来を切り拓く 公益大は、時代に合わせた公益を追求するとともに、地元企業や市民団体などの多様な主体と連携しながら人材を育成し、これからも地域とともにある大学として歩んでいきます。 新しい公益大はどうなるの? 授業料が国立大並みに 例)県内の高校生が進学した場合の入学初年度の納付金額 費用 入学金 令和7年現在 27万円 公立化後(予定)28万2,000円 授業料 令和7年現在 65万円 公立化後(予定)53万5,800円 施設整備資金 令和7年現在 20万円 公立化後(予定)− 合計 令和7年現在 112万円 公立化後(予定)81万7,800円 地域との連携を強めて教育内容が更に充実 地域の魅力を学び、地域を活性化する人材を育成 地域課題の解決に向けた演習プログラムの充実 産学官連携プラットフォームの創設 地元企業や自治体のインターンシップ受入れを拡充し、学生のキャリア形成支援を強化  国際学部国際コミュニケーション学科≠ェ新設 2年次に全員英語圏に留学(3週間〜3か月) 中学校、高等学校の英語教員免許が取得可能(課程認定申請中) 地域と外国人をつなげて支援する専門人材「多文化共生コーディネーター」を養成 公益学部公益学科≠ヘ5つのコースで専門分野を学ぶ 経営・経済 市場経済や企業経営、会計、心理、環境などを学ぶ 政策 法学、政治行政、公共政策などを通じて社会の仕組みを理解する 地域福祉 福祉政策や地域福祉等の理論、ソーシャルワークの技術を学ぶ 観光・まちづくり 観光、都市・農山漁村の再生、自然環境の保全など魅力ある地域づくりを学ぶ メディア情報 情報処理とデータ分析の基礎、機械学習の体系やプログラミング技術等を学ぶ 新公益大に期待! 致道館高校 キャリア支援課長 真嶋 亮子 先生 少子高齢化が進み地域課題が山積する中で、「地域を元気にしたい」 と考える高校生が増えていますが、熱い思いを持つ若者が進学を機に県外へ流出することが課題でした。自宅から4年間通える公立大学ができることは、生徒の選択肢が増えることに加え、若者の定着と地域活性化の大きな契機になると期待しています。また、公立化によって全国から学生が集まることで、異なる視点を持った学生がお互いに刺激となり、切磋琢磨(せっさたくま)する場を生み出します。庄内出身者と全国から集まってきた人たちの発想・エネルギーが融合することで、地域を支え、盛り上げ、新しいことを生み出すことにつながる大学になってほしいです。 キッチンカー出店! 公益大大学院修了生の学び・研究・実践 交流会 市民と一緒に「公益」や「これからの大学院」について考えます。                     日時:11月15日土曜日 午後3時 会場:公益大大学院 内容:「あなたが考える公益とは」と題して 大学院卒業生が実践内容を発表。また、大学院が行ってきた取り組みを紹介します