特 集  文化芸術がまちを動かす  〇問合せ 社会教育課(櫛引庁舎)☎57-4867 「鶴岡の文化芸術」と聞いたとき、皆さんはどんなことを思い浮かべますか。  合唱や楽器演奏などの音楽活動、歴史ある美術展や書道展、大切に継承されてきた文化財、各地域に残る伝統行事や祭礼、鶴岡出身作家の文学作品、街並みや風景―。近年は食文化や伝統的な産業にも注目が集まっています。  鶴岡には学ぶことを大切にする気風があり、受け継いだものを継承しながら、新たな文化や芸術を柔軟に取り込んで、創造的に発展させてきました。  文化芸術はそれに触れ、関わる人の心を豊かにします。  そして、障害のある人や高齢者を含む、あらゆる人の社会参加を促すことができます。  また、観光やまちづくり、地域産業と連携することで、より付加価値の高い経済活動を展開することもできます。  文化芸術には、まちを動かす力があるのです。  歴史と共に積み重ねられてきた文化芸術の蓄積に、私たちの世代で厚みを加え、次の世代に引き継いでいくことがとても大切です。  このため市では8月に、鶴岡の文化芸術を振興するための方向性をまとめた「鶴岡市文化芸術推進基本計画」を策定しました。  この計画の概要や計画に位置付けた新たな取り組み、文化芸術を通じて様 々な分野と連携する市民の方々の活動を紹介します。 鶴岡市文化芸術推進基本計画 目指す将来像 文化芸術のちからで心豊かな鶴岡の未来を拓きます 基本方針 施策の展開 主な新たな取り組み 伝統的な文化芸術の継承と活用に努めます 1 地域独自の文化資源の保存と活用 2 伝統的な地域資源の継承と活用の推進 〇民俗芸能のデジタルアーカイブ化の促進と活用 〇鶴岡の食文化の文化財登録の検討 多様な文化芸術の創造と発展を目指します 1 文化芸術を支える仕組みづくり 2 文化芸術活動の推進 〇来鶴したアーティストが青少年や市内芸術団体を指導するアーティストクリニックの実施 〇新たな活動を促すアートプロジェクトの支援 文化芸術の根づいた活力のある社会をつくります 1 子育てと教育への活用 2 共生社会の推進 3 観光と交流への活用 4 産業への活用 5 地域社会への貢献 〇障害者作品活用の新たな展開 〇市芸術祭シーズンにアートツアーを開催 〇大規模な公演や芸術文化関係の大会などの招致 〇都市交流を契機にした地元アーティストの作品や工芸品等の販路拡大 美術×共生社会 つるおか障害者アート展 つるおかひょうげんの花2021 楽しみながら挑戦しました 絵画作品を出品 髙橋佑輔さん  私は先天性の全盲です。障害者通所施設に通い和紙を作る仕事をしています。職員の方と新商品の開発などについて話し合う中で、新しい挑戦として、これまで触ったこともない色鉛筆を使って、アート作品作りに取り組むことになりました。  タイトルは「新たなる冒険」。自分で考えた物語を点字で打ち、ストーリーに合わせて色を塗りました。来場した人には、それぞれ好きなイメージを持って見てもらいたいと思っています。 制作はとても楽しかったので、これからも続けていきたいです。 日時:10月1日金曜日~10日日曜日    午前9時30分~午後4時 会場:鶴岡アートフォーラム 問合せ:本所福祉課☎内線136 障害のある方の創作活動の様子や作品を展示・紹介します。 民俗芸能×発信 鶴岡市民俗芸能交流発表会 去年より上達した姿を見せたい 大山いざや巻保存会 齋藤芙季さん  大山いざや巻は、約500年前に、地域を治めていた武藤家が教え広めたのが始まりです。 拍子木と唄に合わせ、せりふを交えながら踊るのが特徴です。  始めたきっかけは、小学生のときに友達に誘われたから。初舞台での達成感がうれしくて、はまってしまいました。今では子供たちの指導もしています。  大きい舞台では振りを大きくしないと表現していることが伝わらないなど、いつもと違う難しさがあります。私1人で踊る演目もあるので、去年より上達した姿を見てもらいたいですね。 日時:12月5日日曜日午後1時30分 会場:荘銀タクト鶴岡 問合せ:社会教育課☎57-4868 市内各地域で連綿と受け継がれてきた民俗芸能がステージで発表されます。 音楽×市民参加 タクトでつなぐ ピアノリレーコンサート 親子でチャレンジ! ピアノ演奏で出演 鈴木純子さん・清花さん 清花さん 参加するのは今年で3回目です。習っている音楽教室の発表会と違って、いろんな人に聴いてもらえるのが楽しいです。今回はソロの演奏に、冬にぴったりな曲を選びました。指使いが速くて難しい曲なので、たくさん練習して、うまく弾けるよう頑張りたいです。 純子さん 自由で堅苦しさがないのが魅力ですね。自分も参加してみたいと思い、ピアノを習ったことはありませんでしたが、昨年、清花との連弾にチャレンジ。とても楽しかったので、今年も一緒に演奏します。 日時:12月25日土曜日・26日日曜日    午後1時 会場・問合せ:荘銀タクト鶴岡        ☎24-5188 ピアノ等を使った演奏、場内アナウンスを市民が行い開催します。 伝統工芸×交流 江戸川区友好都市40周年 記念竹塗箸 ふだんの生活で使ってほしい 竹塗り職人 鈴木勇さん  竹塗りとは、漆を塗り重ねて竹の風情を表現する漆器工芸です。庄内藩の武具塗装職人だった阿部竹翁が、江戸の師匠の技を元に研究を重ね、明治時代に生み出しました。  今年度、鶴岡市と江戸川区の友好都市盟約が40周年を迎えました。これを記念する竹塗りの箸を、私が講師を務める竹塗り同好会の会員が作成し、販売することを計画しています。   ぜひ、鶴岡の伝統工芸品をふだんの生活で使ってほしいですね。そして、竹塗箸が友好の架け橋になればうれしいです。 鶴岡伝統工芸竹塗り同好会 中央公民館の特別講座をきっかけとして平成9年に設立されました。毎月2回活動し、昨年からは花立て作りに取り組んでいます。