世界に通用するスリーポイントシュート 人の情景(ひとのじょうけい) scene 01 小川瑛次郎  Eijiro Ogawa 羽黒高校バスケットボール部に所属する小川瑛次郎さん。今年のU‐16(16歳以下)アジア選手権、U‐17(17歳以下)世界選手権に日本代表として出場しました。秋田市立城南中を卒業後は、親元を離れ、現在は寮生活を送っています。 「中学3年生のときに、羽黒高校の練習に参加したんです。当時、ポジションはセンターでしたが、羽黒高校に入れば、いろんなポジションに挑戦しながら、伸び伸びプレーできると思って入学を決めました」。  そう話す小川さんの、現在のポジションはシューティングガード。試合ではスリーポイント(3点)シュートなど、主にアウトサイドからの得点を狙います。また、中学時代にセンターをしていた経験から、インサイドでも勝負できるのが彼の強み。 「小学生のとき、母に地元のプロチーム・秋田ノーザンハピネッツの試合を見に連れて行ってもらったのが、バスケを始めたきっかけですね。プロの試合を見て、バスケって面白いな!と思ったんです。中学生の頃は、部活とノーザンハピネッツのユースチーム両方に所属していました」。  バスケが大好きだからこそ、掛け持ちも苦ではなかったそう。中学3年時は、城南中のエースとして全国制覇を経験しました。  高校では1年時から頭角を現し、今年のU‐16アジア選手権では、得意の外角からのシュートでチームをけん引。決勝までの全5試合で計62得点を挙げ、準優勝に貢献しました。 「でも、やはりアジアと世界では、レベルが全然違いましたね。世界選手権に出場する各国の選手は、自分たちより体が大きかったり、当たりが強かったり、国内では対戦できないような選手ばかりでした。また、初めての世界の舞台で雰囲気に飲まれてしまった部分もあります。世界で戦うためには、落ち着いて自分の力を出すことが大切なんだと感じました。」と小川さんは振り返ります。  U‐17世界選手権での日本代表の成績は、通算1勝6敗で、16チーム中14位。しかし、小川さんのスリーポイントシュート成功率は、出場選手中トップの58・1%(31本中18本成功)で、世界でも、その力が通用することを証明してみせました。  「オフェンスもディフェンスも、もっと上手になって、相手が自分との対戦を嫌がるような選手になりたいです。また、チームとしても、全国のもっと上位を目指したいですね。」と意気込む小川さん。その目は、大学、そして、更に先を見据えます。 ちなみに勉強は得意ですか≠フ問いに「ぼちぼちですね(笑)」と、あどけなさの残る笑顔ではにかむ姿が印象的です。 小川瑛次郎 さん(17) 秋田市出身。秋田市立城南中卒業後、羽黒高校に入学。現在2年生。今年、U‐16アジア選手権で準優勝し、U‐17世界選手権に出場。全国高等学校総合体育大会(四国インターハイ)でベスト16。身長187p。休日は友人とサイクリングを楽しむ。 ▲U‐16アジア選手権。決勝までの全5試合で、チーム2位の合計62得点を挙げ、準優勝に貢献。 ▲今年の高校総体は山形県大会で優勝。全国ではベスト16に入った。