国指定重要無形民俗文化財 黒川能
更新日:2015年2月26日
国指定重要無形民俗文化財 黒川能
黒川能の歴史
森敦の小説の舞台ともなった霊峰月山の麓に黒川地区があります。黒川能は、この黒川の鎮守、春日神社の神事能として、すべて氏子たちの手によって、 500年ものあいだ 連綿と守り伝えられてきました。
黒川能は、世阿弥が大成した後の猿楽能の流れを汲み、その意味では現存の五流と同系ですが、いずれの流儀にも属さずに独自の伝承を続け、独特の形と中央ではすでに滅びてしまった 古い演目や演式を数多く残しています。
現在、春日神社の氏子は約240戸。能役者は囃子方を含めて子供から長老まで約160人。能面230点、能装束400点、演目数は能540番、狂言50番というように民俗芸能としてはたいへん大きな規模となっています。
昭和51年には、国の重要無形民俗文化財に指定され、生活に根ざした貴重な民俗芸能として全国から注目を集めています。
所仏則の翁
大地踏
黒川能の心
王祇祭
鎮守である春日神社の年4回の例祭に、神事として黒川能が奉納されますが、中でも天地凍てつく旧正月に行われる「王祇祭」(おうぎさい)は最も重要なお祭りとなっています。
2月1日の未明、春日神社の神霊が宿る王祇様を上座、下座それぞれの民家(当屋)にお迎えします。座衆一堂に会しての座狩(総点呼)があり、振る舞いが行われた後、夕刻から幼児が勤める「大地踏」で黒川能は始まり、式三番、続いて能5番、狂言4番が夜を徹して演じられます。
翌2日には、ご神体が春日神社に還り、神前で両座が脇能を一番ずつ演じ、その後大地踏、式三番が両座立ち会いの形で行われます。祭りは、春日神社境内の階段をご神体を手に駆け上る「尋常事」(競争事)など様々な神事を織り込みながら、すべてが終了するのは夕刻に及びます。ご神体の衣布は翌年の当屋に授けられ、また1年をかけて準備に入ります。
黒川の人びとの生活サイクルは、王祇祭を中心にめぐっています。祭りと能と生活が一体となった村、それが黒川であり、黒川能の里です。
黒川能名物『凍み豆腐』
豆腐焼き
王祇祭で振る舞われるのが「凍み豆腐」。
このため地元では「とうふ祭り」とも呼ばれ、祭りの前の2日間で約1万本が焼かれます。
これを凍らせてから味噌煮したものを二番というタレに付けて食べます。
凍み豆腐は、黒川能とともに継承され、ユネスコ創造都市ネットワーク(食文化分野)にも認められる貴重な伝統的食文化のひとつとなっています。
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