特集 祝 「旧東田川郡役所及び郡会議事堂」が国史跡に指定されました! ●問合せ 社会教育課(櫛引庁舎)?57‐4868、藤島庁舎総務企画課?64‐5814 藤島地域にある「旧東田川郡役所及び郡会議事堂」は、全国で唯一、建設当時のままの位置関係で保存されています。この点などが高く評価され、3月20日に文部科学省から国史跡に指定されました。本市では、旧致道館、松ヶ岡開墾場、小国城跡に続き、4件目の指定です。  文化財保護法によって、日本の歴史を理解する上で重要な史跡の保護を図る国指定史跡制度。指定されると、史跡の保存や活用を進めていく際に、国の補助金を活用することができます。  今回の特集では、「旧東田川郡役所及び郡会議事堂」の史跡としての価値、東田川文化記念館としての活用方法、そして、史跡を未来へつないでいくための展望を紹介します。 大正15年頃までに撮影された 旧東田川郡役所及び郡会議事堂 01 全国で唯一、建設当時の位置関係のまま現存 明治時代の郡制の様子を伝える史跡  今回指定されたのは、旧東田川郡役所と旧東田川郡会議事堂に加え、旧東田川電気事業組合倉庫とそれに隣接する土蔵を含めた敷地全体です。敷地の規模も建設当時と変わっていないことから、明治時代の郡制や、全国でも先進的だった郡営の電気事業の様子を伝える貴重な史跡として高く評価されています。  史跡を後世に残すために、市では建物の保存や活用方法等を定める「旧東田川郡役所等活用計画」の見直しを進めています。地域の皆さんとも連携しながら、史跡の適切な保存と活用に取り組んでいきます。 教えて! 旧東田川郡ってどんな所? 領域…現在の藤島・羽黒・櫛引・朝日地域、鶴岡地域・三川町・酒田市の一部、庄内町(明治11年成立当時) 全国でも4例しかない郡営の電気事業を開始し、農業の電化などに取り組む ◎明治11年 飽海郡 旧西田川郡 旧東田川郡 ◎現在 鶴岡地域 三川町 庄内町 藤島地域 羽黒地域 櫛引地域 朝日地域 温海地域 藤島歴史公園「Hisu花」の隣にあります ▲建物配置図 旧東田川電気事業組合倉庫 入口 土蔵 旧東田川郡会議事堂 旧東田川郡役所 旧東田川電気事業組合倉庫(右)、土蔵(左) 大正15年(1926)頃に建設。土蔵を含め、資材倉庫として使用。 旧東田川郡会議事堂 初代の建物は明治19年までに建設。同36年(1903)再建。2階は議場や会合に使用。 旧東田川郡役所 初代の建物は明治11年に建設されたが、同19年に焼失。同20年(1887)に再建。 02 歴史を伝える場、地域の活動の場へ 東田川文化記念館として再生 東田川文化記念館 ●開館時間  午前9時〜午後4時30分 (月曜日、年末年始は休館) ●入館料 無料  旧東田川郡役所及び郡会議事堂は、昭和58年まで旧藤島町役場及び議場として使用されました。その後、建物の改修工事を経て、平成8年からは敷地全体を東田川文化記念館とし、地域の生涯学習の拠点として活用しています。  藤島地域の歴史などを紹介する展示や、見晴らしの良い郡長室など、見所がたくさんあります。また、ギャラリー藤や明治ホールでは、地域のサークルや一般の方が展示・公演等を行なうことができます。詳しくは、東田川文化記念館?64‐2537にお問い合わせください。 旧東田川電気事業組合倉庫 名誉市民の竹内啓治氏が集めた美術品や、日本一の長さの独木舟(まるきぶね)を展示。藤島地域の歴史も紹介しています。 象ギャラリー 竹内コレクション 独木舟(県指定有形文化財) 旧東田川郡会議事堂 純和風の図書館の中で読書ができます。明治ホールではコンサートなど様々なイベントが開催されています。 図書館藤島分館(1階) 明治ホール(2階) 旧東田川郡役所 旧東田川郡の歴史をたどる展示や郡長室があります。ギャラリー藤は、地域のサークルなどが作品を展示する場として活用しています 郡長室 ギャラリー藤 インタビュー 市民が誇りに思う場所に 地域の大切な史跡を未来へつなぐ ぜひ皆さんに足を運んでほしいです  史跡を後世に残すために必要なことは、この場所が市民にとって心のよりどころになることです。ぜひ、東田川文化記念館に足を運んでいただき、その歴史や魅力を直接肌で感じてほしいですね。  現在は、大人の地域講座や、小学生が学校の授業や寺子屋事業などで利用するなど、文化的な活用に力を入れています。  今後は、未来につないでいけるよう、地元の催しなどと連携しながら、市民が誇りに思う史跡を目指し、努めていきます。 東田川文化記念館長 遠田 良弘(えんた よしひろ)さん  ▲絵画を制作する寺子屋「子ども の土曜美」。ほかにも「少年少女合唱団」を開講。