鶴岡市名誉市民に 冨田勝氏  市では、市民や鶴岡市にご縁の深い方で、広く社会・文化の興隆に寄与され、郷土の誇りとして深く尊敬される方に対し、そのご功績と輝かしい栄誉をたたえ、「鶴岡市名誉市民」の称号を贈っています。  来る7月29日に、冨田勝氏に名誉市民の称号が贈られます。 ■問合せ 本所総務課?35‐1114  冨田勝氏は、平成13年に本市に開設された慶應義塾大学先端生命科学研究所(以下、慶應先端研)において、開設当初から所長を務められ、生命科学に情報科学など異なる学問領域を融合させた、統合システムバイオロジーという新しい分野のパイオニアとして、生体内の代謝物を網羅的に計測するメタボローム解析技術の確立に貢献されました。  また、新産業の創出にも意欲的に取り組まれ、慶應先端研内における研究成果の事業化を強力に後押しし、平成15年には慶應先端研発の最初のベンチャー企業である「ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ梶vの創業に貢献されました。その後も、後進の研究者の活動を支援し、Spiber鰍はじめ、多くのベンチャー企業を支援するなど地域の活性化に寄与されました。これにより鶴岡サイエンスパークは、本市を担う人材の育成と魅力ある産業創出の基盤となり、大きく発展しました。  さらに、本市の教育の充実にも貢献いただいております。地域の高校や高等専門学校の生徒を高校生研究助手・特別研究生として受け入れる制度を創設し、子供たちに生命科学を学ぶ機会を提供されたほか、全国の高校生が本市に集まり、生命科学に関する研究成果を発表する「高校生バイオサミットin鶴岡」、宇宙生物学をテーマに国内外で活躍する最先端の研究者による講演「慶應アストロバイオロジー・キャンプ」を企画されるなど、次世代を担う人材の育成に大きく貢献されました。  平成13年の慶應先端研開設から22年の永きにわたり、本市に所在する高等教育機関の研究長として、生命科学分野における学術振興はもちろんのこと、人材育成、バイオベンチャー企業による雇用創出、研究機関や企業の集積、研究成果を活用した健康や医療面での地域連携による活性化などにご尽力賜りました。  そのご功績は、市民のひとしく知るところであり、冨田氏を郷土の誇りとして敬愛するものです。 冨田勝(とみたまさる)氏(東京都出身・65歳) 職 歴 昭和60年5月 カーネギーメロン大学助手 昭和62年1月 同大学自動翻訳研究所副所長 昭和62年7月 同大学助教授 平成2年6月 慶應義塾大学環境情報学部助教授 平成9年4月 同大学環境情報学部教授 平成13年4月 同大学先端生命科学研究所所長 平成14年4月 同大学医学部兼担教授 平成17年10月 同大学環境情報学部学部長 平成24年4月 慶應義塾評議員 令和3年4月 (一社)鶴岡サイエンスパーク代表理事 令和5年4月 慶應義塾大学名誉教授 受 賞 歴 昭和63年 米国National Science Foundation大統領奨励賞(Presidential Young Investigators Award) 平成14年 日本IBM科学賞 平成16年 産学官連携功労者表彰科学技術政策担当大臣賞 平成19年 文部科学大臣表彰科学技術賞 平成29年 山形県特別功労賞 令和元年 河北文化賞 令和3年 バイオインダストリー大賞 令和5年 安藤百福賞大賞 鶴岡サイエンスパーク 平成13年の慶應先端研開設以降、研究成果を基にしたベンチャー企業の誕生や研究機関等の進出が進む 写真で見るつるおかの今昔 鶴岡の風物や人々の暮らしについて、昔の写真と今の姿を比較しながら、その歴史をひもときます。 ■問合せ 本所総務課?35‐1117 第12回 300年以上の歴史を連綿と受け継ぐ 大山犬祭り  毎年6月5日に開催される「大山犬祭り」。馬町に鎮座する椙尾神社の例祭で、文献では、300年以上前の江戸時代初期に始まったとされています。  祭りの由来は、若い娘の人身御供を求める化け物(大ムジナ)を退治して村を救った「めっけ犬伝説」です。めっけ犬は椙尾神社のお前立となり、お祭りでは「犬曳」と、人身御供となる「仮女房」が頭屋行列に出ることになったといわれています。  頭屋行列の先達を務めるのが「奴振り」。昭和の戦争期に一時途絶えてしまいましたが、昭和26年に「大山祭奴振保存会」が設立され、奴振りの伝統を守っています。平成に入ると高齢化と後継者不足で出場が危ぶまれました。この危機を救ったのが地元の中学生で、以降は奴振りを中学生が務めています。  また、祭りの呼び物の一つが豪華絢(けんらん)爛な「からぐり」。人形舞台やお囃(はやし)子を乗せた山(だし)車は約5mの高さを誇ります。最盛期には9台あったとされていますが、現在は、大人が引く大型のからぐり2台と、小学生が引く小型のミニからぐり1台の計3台を、勇壮に引きます。 ■出典 『大山町史』、『山形県鶴岡市庄内三大祭大山犬祭り』 ▲犬曳(いんこひき)【時期不明】 ▲奥方(仮女房(かりよぼ))【昭和49年】 ▲滅怪犬(めっけいぬ)榊引き【昭和49年】 ▲犬曳【令和5年】 ▲奥方(仮女房)【令和5年】 ▲滅怪犬榊引き【令和5年】 4年ぶりに行列が街中を練り歩きました! コロナ禍で中止や規模縮小していた「大山犬祭り」。今年は、にぎやかな行列が地域中を笑顔いっぱいにしました。