地域と協力し、魅力を創出する 人(ひと)の情景(じょうけい) scene 06 エコ・リンクやまがた Eco・Link Yamagata カモンマーレのスタッフの皆さん カモンマーレのスタッフのほか、地元の地域づくり団体や、企業から出向している方など様々な方が関わって企画・運営しています 地域住民や企業などと協働しながらまちづくり活動に取り組んでいるエコ・リンクやまがた。6月24日に加茂地区にオープンした「渚の交番カモンマーレ(以下、カモンマーレ)」を、地元の地域づくり団体等と協力しながら運営しています。  エコ・リンクやまがたのメンバーであり、カモンマーレで支配人を担う齋藤千一郎さんと、業務部長を務める匹田久雄さんにお話を伺いました。  「日本財団から『渚の交番』の話を頂いてから、我々エコ・リンクやまがたのメンバーで適地を考えていました。その中でも、庄内浜のちょうど真ん中に位置し、加茂水族館に加え、加茂水産高校や水産研究所などの海洋教育・水産加工の施設も充実していることから、加茂に決めたんです。」と、匹田さんはいきさつを話します。  カモンマーレでは、ヨットやシュノーケリングなどのマリンアクティビティ体験ができたり、海に関する様々な講座を受講できたりするほか、食文化の継承にも力を入れています。昨年8月にプロジェクトに加わり、アル・ケッチァーノの総支配人としての経歴もある齋藤さんは「海洋教育と食育を一緒に推進していきたい。」と語ります。  「ユネスコ食文化創造都市である鶴岡は、食材の宝庫です。庄内浜の未利用・低利用魚などを利用したファーストフード(※)のお店やイタリアンレストランも備えました。庄内浜の豊かな水産物を中心にした商品はもちろん、山や平地の産物や在来作物を含めた商品づくりをして、庄内の食の魅力の発信拠点を目指していきたいですね」。  カモンマーレの運営には、地元加茂地区の自治会も積極的に携わっています。  「以前から地域活動が活発な加茂地区は、『大好きな加茂』という法人を立ち上げていたんですね。様々な面で協力しながら、加茂地区の皆さんと一緒にカモンマーレを盛り上げていきたいと思っています。」と、匹田さんは笑顔で話します。  加茂地区の新たな魅力を創出するカモンマーレ。しかし、この施設だけがにぎわうことが目的ではないと2人は口をそろえます。   「カモンマーレの役割の一つは、庄内全域に訪れる人の数を増やすことです。県内全域を活動範囲とする我々が運営に関わる意味は、そこにあると思っています。ここをきっかけに庄内浜に訪れてくれる人を増やせれば、海辺以外の地域もにぎわっていくのではないでしょうか。海辺で楽しんだ人が、その後に羽黒山や市街地を観光するなどして、海辺と庄内全域の各所を線でつないでいければいいですよね」。  海辺に集う人々の交流の場として、そして、庄内の魅力の新たな発信拠点として、勢いよく船出したカモンマーレ。エコ・リンクやまがたが舵を取りながら、カモンマーレに携わる人々の航海はまだ始まったばかりです。 ※ファーストフード= 食文化の継承と地域食材の再発見につながるようなメニューをいち早くお届けするという意味が込められた造語。 エコ・リンクやまがた 前身の組織は2002年に発足。庄内地域を拠点に、住民、企業、行政と協働で身近な環境改善を行う「グラウンドワーク手法」を用いて、まちづくりワークショップを実施。2007年からは活動範囲を県内全域に拡大し、市内では市民学習農園を運営。2019年から現在の組織名で活動。異業種企業で協働しながら地域資源開発や環境改善事業を行うなど、地域まちづくり活動に幅広く取り組む。 カモンマーレの館内を紹介します! 3階 コミュニティルーム 夕陽てらす 「海洋教育」と「食育」の実践となるフロア。 研修室や食品開発室を備えているため、海洋講座や調理教室なども開催できます。貸ホールとしても使用できます。 2階 トラットリア Piccolo-Passo(ピッコロ・パッソ) 庄内の旬の食材などを使ったイタリアンレストラン。ランチもディナーも気軽に料理をたんのうできます。 ▲ 厨(ちゅう)房の準備も進めています 1階 ファーストフード&ショップ なべじま 庄内浜の魚介類を使ったファーストフードやオリジナルジェラート、加工食品などを販売します。 マリンアクティビティの受付も1階でできます。 ▲お店のレイアウトを考え中 ▲カモンマーレの外観 ▲齋藤千一郎さん(左)と、匹田久雄さん(右)