特 集 この地域でずっと元気に暮らすために 問合せ 本所長寿介護課?29‐4180 通いの場でフレイル予防! 鶴岡西地域包括支援センター 所長 佐藤(さとう)瑞紀(みずき)さん 「健康寿命」を延ばすために  市内の高齢化率は令和4年度末で36%を超え、要介護認定率の上昇が懸念されるため、健康寿命を延ばしていく必要があります。健康寿命とは、日常生活を自立して健康的に送ることができる期間のことです。  健康寿命を延ばすためには、まずは「フレイル」を予防することが大切です。フレイルとは、病気ではないけれど、筋力や心身の活力が低下して介護が必要になりやすい、健康と要介護の間の「虚弱な状態」のことです。フレイル予防には、運動習慣や栄養、口腔機能の維持はもちろんのこと、地域とのつながりや社会参加が重要です。  市では、フレイル及び介護予防活動の一つとして「いきいき百歳体操」を推進しています。週に1回以上の継続した体操で筋力が維持でき、活動的な生活につながります。また、1人では続かない運動も、地域の人が集まる「通いの場」に参加することで、人とつながりながら楽しんで取り組むことができます。  今回は、フレイル予防に取り組む市内の団体の活動を特集します。 筋トレサークル粋々男塾(いきいきおとこじゅく)   市内でいきいき百歳体操に取り組む参加者の男女内訳を見ると、女性8割・男性2割と、男性の参加率が低い状況にあります。  大山地区の男性が集まり活動する「筋トレサークル粋々男塾」。正式に会ができて活動を始めたのは平成28年1月です。市内に男性だけのグループは現在4団体あり、粋々男塾がその先駆けです。  「8年間続けてこられた理由は、メンバーの声も大事にしながら、楽しさや遊び心を忘れずに取り組んできたこと」。体操や筋トレのメニューも年齢を重ねたメンバーに合わせたものなんだそう。「最初は集まって面白ければいい。そうでないと長続きしないと思うんです」と三浦さんは話します。  また、三浦さんは「男性が参加するためには、女性からの声掛けが有効だと考えています。直接ではなくても何かの動機付けを与えることが必要」と言います。このことは、以前鶴岡西地域包括支援センターエリア(大山・加茂・湯野浜・西郷地区)の交流会が行われたときに、加茂地区の「goto100才体操」代表の菅原喜美さんにも伝えていました。 代表 三浦(みうら)次雄(つぐお)さん 自分たちがやれることで、人の役に立てればうれしい goto(ゴートゥー)100才体操  本格的に活動を始めたのは令和2年のこと。今は会員が28人いて、内2人が男性です。  地区一帯に牛乳配達をしていた喜美さんが、みんなに声を掛け広がっていき、メンバーが増えていきました。  加茂地区はエリアが広いため、遠い町内では乗り合わせで来ることもあります。″通いの場?は地域の支え合いがあってこそのものであり、「車で送ってくれる人がいるから参加することができる」という人もいます。  地区のお茶のみサロン「cafeかも?ん」の代表や民生委員も担っている佐藤誠子さんは、ある日、生活支援コーディネーター(※)の小野マリさんに、担い手養成研修の参加を勧められ受講します。この研修は、介護予防等に関する事業の新たな担い手を養成するもので、通いの場見学も必修となっています。誠子さんは小野さんと一緒に櫛引地域の「猫の手」のほか、大山の「粋々男塾」の見学にも行きました。  実際に男性だけで活動をしているグループを見て、以前から加茂の男性にも参加してほしいと思っていた誠子さんは、同じように考えていた喜美さんに相談します。 菅原(すがわら)喜美(きみ) さん 佐藤(さとう)誠子(せいこ)さん  体操を始める前に、必ず10分間おしゃべりします ※高齢者やその家族が暮らしやすい環境を実現するために、地域の方々と支え合う仕組みを考え、課題解決の手伝いをする。小野さんは鶴岡西地域包括支援センターで同職を担っている。 加茂GG(ジージー)クラブ  誠子さんはcafeかも?んで「男性限定の料理教室」を企画し、昨年11月1日に開催。そこで小野さんが「体操してみませんか」とみんなに話をし、参加した田村さんは土屋さんに相談。すぐに「やろう」となり、そこからはとんとん拍子に進み、同月29日に第1回の体操が行われました。今では男性だけの団体の中で一番多い18人で活動しています。  メンバーには、一人暮らしの方や、高齢者のみ世帯の方も多くいて、お互いの安否確認もできると会長の土屋さんは言います。  介護予防に関する講座や料理教室などを企画することもありますが、毎回必ず百歳体操はやると決めています。「やっぱり毎週することで自分の変化も感じられるし、それならこうしようとか頭で考えることにもなる」と、通いの場で体操をすることの意義を村上さんは語ります。  一郎さんは「自分の健康のためもあるけど、結局はみんな週1回のこの日を楽しみにしている」と始めてもうすぐ1年の活動を振り返りました。 左から田村(たむら)幹雄(みきお)さん(代表)、村上(むらかみ)弘喜(ひろき)さん(副会長)、土屋(つちや)仁(ひとし)さん(会長)、佐藤(さとう)一郎(いちろう)さん(副会長) 体操もおしゃべりも、みんなが楽しみにして来ているのが、見て分かります。 田村さんは、毎回活動報告を作り、会員のグループLINEで共有しています。 「難しの〜」とまぐまぐしながら、まぐまぐでゅ〜体操に挑戦する加茂GGクラブの皆さん ぜひ挑戦してみてください 「つるおかまぐまぐでゅ〜体操」始めました  市は今年3月、認知症予防にも効果が期待できる脳トレ体操を作成。9月には第2弾も完成しました。難易度が低い体操と高い体操の2つのバージョンがあり、自由に選ぶことができます。  脳を活性化させるため、あえて「頭の中がまぐまぐどなる≠謔、な動き」を取り入れ、リズミカルに指先や手足を動かします。   実際に、体操を体験した方からは、「みんなで笑いながら楽しく体操できる」「頭がまぐまぐして、脳への刺激になる」と、大変好評でした。 鶴岡西地域包括支援センター 生活支援コーディネーター 小野(おの) マリさん 地域につながりができるよう皆さんの社会参加を後押し  今どこの地域もコミュニティが希薄化してきています。そういった中でも、おしゃべりできる場所があり、近所の人と声を掛け合うようなつながりができる、支え合いのある地域になっていけたらと思っています。  とにかく地域の人と話をすることから始めて、人と人がつながり、更に地域がつながれるように皆さんを支援していきたいですね。