鶴岡市名誉市民に 酒井忠久氏  市では、市民や鶴岡市にご縁の深い方で、広く社会・文化の興隆に寄与され、郷土の誇りとして深く尊敬される方に対し、そのご功績と輝かしい栄誉をたたえ、「鶴岡市名誉市民」の称号を贈っています。  来る3月25日に、酒井忠久氏に名誉市民の称号が贈られます。 ●問合せ 本所総務課?35‐1114 酒井忠久(さかいただひさ)氏(鶴岡市出身・77歳) 職歴等 昭和51年 致道博物館理事 平成4年2月 致道博物館代表理事・館長 平成16年 旧庄内藩主酒井家18代当主 平成16年6月 松ヶ岡開墾場総長 平成23年4月 山形美術館評議員 平成25年6月 本間美術館理事 平成28年7月 日本美術刀剣保存協会会長 令和2年3月 酒井家庄内入部400年記念事業実行委員会顧問 令和5年6月 致道博物館名誉館長 令和6年1月 宮中歌会始の儀で「読師」を務める  酒井忠久氏は、昭和21年に本市でお生まれになり、大学卒業後、市内企業で勤務され、昭和51年に財団法人致道博物館(現・公益財団法人致道博物館)理事に就任されました。昭和58年には、松ヶ岡の開墾・養蚕の歴史資料を展示紹介する「松ヶ岡開墾記念館」を開館され、当地の国史跡指定に寄与されました。  平成4年2月から令和5年6月まで31年の永きにわたり財団法人致道博物館の代表理事・館長をお務めになり、本市の考古・歴史・民俗資料の保存収集、国重要文化財群の維持管理、また、これらの公開等を通して、郷土の文化財保護と継承にご尽力されました。致道博物館では、庄内藩校致道館の教学の精神を継承することを目的として、論語や詩経など漢籍から人づくりを図る「中国古典講座」を定期的に開催するとともに、地域の人々と連携しながら、小学生を対象とした「少年少女古典素読教室」「論語書道展」といった漢籍への理解と関心を高める取り組みを行われました。平成19年には、「全国藩校サミット」が本市において開催され、各地の旧藩校の伝統や精神を現代社会に生かしながら次代に継承していくことを確認し、市民はもとより多くの人々が庄内藩校致道館の歴史的価値・精神的価値を再認識する機会の創出に寄与されました。  平成16年には、旧庄内藩主酒井家18代当主を引き継がれ、鶴岡・庄内の歴史、文化、自然、風土に寄り添い、荘内大祭をはじめとした各地の地域行事に参加され、広く市民の心の支えとなりました。  また、地縁団体松ヶ岡開墾場総長として、各蚕室の保存修理や来訪者受入れのための整備を進められました。平成28年、天皇皇后両陛下(現・上皇上皇后両陛下)が本市にお出ましになり、松ヶ岡開墾場を視察された際には、案内役を務められました。  松ヶ岡開墾場の保存活用、地域内外への魅力発信にご尽力され、平成29年には、当地を中心としたストーリー「サムライゆかりのシルク日本近代化の原風景に出会うまち鶴岡へ」が日本遺産に認定されました。  令和4年の酒井家庄内入部400年の節目に当たっては、庄内地方の2市3町が参画する実行委員会の顧問に就任し、鶴岡・庄内の地域固有の歴史と文化を継承するため、各地での講演・講話などを通して普及啓発を図られました。大手旅行会社が企画した首都圏での誘客型講座では、酒井家の当主として講師を務められ、地方への観光誘客における新たなジャンルの開拓に寄与されるなど、鶴岡公園を中心とした本市の城下町観光の推進とともに、当地の歴史と文化の継承、地域活性化に貢献されました。  また、平成23年から公益財団法人山形美術館評議員、平成25年から公益財団法人本間美術館理事、一般社団法人裏千家淡交会理事、平成28年から公益財団法人日本美術刀剣保存協会会長に就任されるなど、数多くの要職を務めておられます。  本年1月には、宮中歌会始の儀において、司会役である「読師(どくじ)」として参内されるなど、本市はもとより国内で広く文化財の保護、文化・美術・教育の振興に尽力しておられます。  こうしたご功績は、市民のひとしく知るところであり、郷土の誇りとして敬愛するものです。