特集 地震に備える 問合せ 本所防災安全課?35‐1204 地震は予測できない  1月1日に石川県能登地方を震源とする地震が発生しました。震源に近い石川県を中心に、大きな被害があり、現在も多くの方が避難生活を送っています。  鶴岡市では震度4を観測。市内での被害は、建物の一部破損が数か所で見られたほか、道路の通行止めや交通機関の運休も発生しました。この地震で、山形県沿岸には31年ぶりに津波に関する警報が発表され、市は沿岸地域に避難指示を発令しました。 自分ごととして行動を  防災には、「自分で守ること(自助)」と「地域で助け合うこと(共助)」が必要です。状況を的確に把握し、「自分の命は自分で守る」という意識を持ち、また、地域住民がお互いに助け合うなどの行動が大切です。 防災に対する意識を高めよう  間もなく東日本大震災から13年を迎えます。この間国内では、熊本地震や北海道胆振東部地震、今年1月の能登半島地震など全国各地で多くの地震が発生しています。  山形県では今年1月、県全体で防災意識を高めることを目的に、東日本大震災が発生した3月11日を「県民防災デー(防災点検の日)」と定め、いざというときの行動などの点検を促しています。  今回の特集では、「自助」を中心に、地震への備えとして必要な行動を紹介します。令和元年の山形県沖地震の発生から6月で丸5年。一人ひとりが防災に対する意識を高めていきましょう。 地震で想定される被害  地震では、主に以下のような被害があります。どのような被害にも対応できる備えが必要です。 ■建物の倒壊  強い地震が起きた場合、建物の倒壊のおそれがあります。また、電柱や信号、橋なども倒れたり崩れたりする可能性があります。 ■火災  家屋の倒壊や家具の転倒によるガス管や電気配線の破損、ストーブなどの暖房器具への可燃物の接触などにより火災が発生します。  また、地震による停電が復旧した際、スイッチが切れていない電化製品等が通電状態となって火災となる「通電火災」も発生します。 ■液状化現象  地震によって地盤が強い衝撃を受けると、互いに支え合っていた土の粒子がバラバラになってしまい、地盤全体がドロドロの液体のような状態になります。建物が傾いたり、道路が陥没したりすることがあります。 ■地すべり  比較的緩やかな斜面で、地盤が地下水の影響などを受けて、ゆっくりと動き出す現象で、地震によって誘発されることがあります。 ■津波  日本海での津波は、大陸との跳ね返りのため、繰り返し到達するおそれがあり、後から来る波の方が高いこともあります。  規模により、大型船が打ち上げられたり、街全体が水没し、家が流されたりする場合もあります。 市では、皆さんが日頃から地震に備えることができるよう、「地震ハザードマップ(揺れやすさマップ、液状化マップ)」を公開しています。 ▽揺れやすさマップ   地盤状況から震度を予測した地図 ▽液状化マップ   液状化現象が発生する可能性を表した地図 自分の命は自分で守るために 日頃から備えておくこと  いざ地震が起きたとき、的確に対応できるように、正しい防災知識を持つことが重要です。 家族同士の安否確認方法を決めよう  別々の場所にいるときに地震が発生した場合でも、お互いの安否を確認できるよう、事前に安否確認の方法や集合場所などを、話し合って決めておきましょう。  また、避難する際に、誰が何を持ち出すかなどの役割分担を決めておくと、スムーズに避難できます。 避難場所や避難経路を確認しておこう  地震が起きたときに慌てずに避難できるよう、あらかじめハザードマップを見ながら、避難場所(指定緊急避難場所、指定避難所)や避難経路を確認しておきましょう。 家具が転倒しないよう、置き方を工夫しよう  家具等の下敷きになり、けがをしたり命を失ったりすることがあります。家具は倒れるものと考え、次のような対策をしましょう。 ●家具は壁に固定する ●寝室や子供部屋には、できるだけ家具を置かない ●倒れた場合に出入口を塞がないような配置にする 自宅の耐震性を確認しよう  昭和56年5月31日以前に着工した住宅について、耐震診断士を派遣し、耐震診断、補強計画一例作成、概算工事費の提示を行います。  利用する場合、費用が掛かります。 ■問合せ 本所建築課?35‐1432 家の中でシェイクアウト(安全確保行動)訓練をしよう  自分の身をしっかり守るための訓練を行い、いざ地震が起きたときも、「@まず低く、A頭を守り、B動かない」を実践できるようにしましょう。 提供:効果的な防災訓練と防災啓発提唱会議 非常用の備えを万全にしておこう  電気やガス、水道などのライフラインが止まった場合に備えて、ふだんから飲料水や食料等を蓄えておきましょう。道路の寸断などで緊急物資の輸送が困難となることも想定されます。  また、避難場所での長時間の避難に備えて、寒さ対策も含め非常時に持ち出す必要のある物をまとめておき、「非常用持ち出し袋」としてすぐに持ち出せるようにしておきましょう。 非常用持ち出し袋チェックリスト(一例) 【持ち出し品の例】 □水 □食品 □ヘルメット・防災頭巾 □衣類・下着 □雨具 □懐中電灯 □携帯ラジオ □電池 □携帯電話用充電器 □ライター □ろうそく □救急用品・お薬手帳 □給水袋 □携帯トイレ □使い捨てカイロ □ブランケット □軍手 □洗面用具 □歯ブラシ・歯磨き粉 □タオル など 感染症対策として □マスク □手指消毒用液体 □ハンドソープ □ウェットティッシュ 貴重品も一緒に □現金 □預金通帳 □印鑑 □身分証明書 など 女性 □生理用品 □中身の見えないごみ袋 □防犯ブザー など 乳幼児がいる家庭は □ミルク □哺乳瓶 □紙おむつ など 高齢者がいる家庭は □高齢者用食品 □入れ歯・洗浄剤 □持病の薬 など 「ローリングストック」の習慣を! 「ローリングストック」とは、下の図のように、備蓄用の食品を賞味期限の近いものから消費し、消費した分を買い足すことを繰り返す方法です。常に一定量の食品が家庭で備蓄されている状態を保つことができます。ぜひ実践してみてください。 自分の命は自分で守るために 地震が発生した場合にする行動  いつ起きるか分からない地震。まずは慌てず、速やかに避難して、自分や家族を守りましょう。 落ち着いて身の安全を確保しよう ?家や建物の中にいる場合   揺れによる落下物から頭部を守るため、丈夫な机の下などに避難 ?外出している場合  看板などが落ちてくる可能性があるため、カバン等で頭部を守り、安全な場所に避難。  海や川の近くにいる場合は、すぐに高台や3階以上の鉄筋コンクリート造りの建物に避難 ?車に乗っている場合   道路の左側に停車してエンジンを止め、鍵を車内に置いたまま歩いて安全な場所に避難 慌てずに火の始末をしよう  揺れを感じたらこんろやストーブなどの火をすぐに消しましょう。大きな揺れの場合は、一旦机の下などに避難し、揺れが収まってから火を消してください。 速やかに安全な場所に避難しよう  建物の倒壊や火災の延焼、土砂崩れなどの可能性があるため、揺れが収まったらすぐに指定の避難場所に避難してください。  海岸や川の近くにいる場合は、すぐに高台や高い建物へ避難してください。 正確な情報を入手しよう  地震発生後はいろいろな情報が流れ、正しくない情報が含まれている可能性もあります。ラジオや防災行政無線、市ホームページなどで最新の正確な情報を入手してください。 地域で助け合うことも大切です  避難の呼び掛け、1人では避難が難しい人の援助など、地域の皆さんで助け合いましょう。また、避難した場所でもお互い協力し合うことが必要となる場合もあります。 地域で支え合う 行動をした地域の方に お話を聞きました 1月の能登半島地震で、由良地区の一部住民は旧由良小学校に避難。 避難所に集まった地区の役員を中心に炊き出しをすることを決め、避難した人たちに温かい食べ物を提供しました。  指定避難所になっている旧由良小学校には、夕方の時点で住民36人が避難しました。広い体育館は暖房器具を使用しても温まらず、避難指示もいつ解除されるかも分からない状況だったため、温かいものが必要と思い、持ち合った食料で避難者自らも手伝い、おにぎり≠ニきのこのみそ汁≠作りました。温かい食べ物に皆さんが喜んでくれたので、炊き出しをやって本当に良かったと思います。道路の通行が規制され、孤立した状況だったので、備えておくことの重要さと、地域には支え合いが必要なことを実感しました。 由良自治会 事務局 佐藤和恵さん 会長 榊原賢一さん 住民が身を寄せた避難所の体育館 石油こんろできのこのみそ汁を調理 炊き立てご飯でホカホカのおにぎり 日頃から備えている非常食。今回の避難でも役に立ちました