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広報つるおか2021.12月号

更新日:2021年11月26日

市長の一筆入魂(46)

 10月の末、市役所入口で声を掛けられた。市役所正面玄関付近では、雨天時でも駐車場から雨にぬれずに来庁できるよう、アプローチ屋根を設けた歩道を整備する工事が行われている。この工事に関連して、正面玄関付近の建物敷地と道路の段差を解消するための簡易なゴム板が設置されていた。よく見ると、ゴム板が中央で盛り上がっており、車いすでは自力で上れない状況になっているため、これを改善してほしい、というお話だった。最初、そのことを指摘されたとき、すぐに担当に伝えようと思っていたのだが、少し時間が空いてしまった。


 私は、いつもメモ帳を持ち歩いている。ポケットに入るキャンパスの小さなノート。若いときお世話になった課長が、「いろいろ試したのだが、これが一番だ」と見せてくれたのがそのノートだった。課長は、大きな文字で指示を書いて、紙を破って部下に渡したり、あるいは、「自分は指示したことを忘れてないぞ」と笑いながらノートを見せてくれたこともあった。以来、それをまねして、忘れないようにメモをしたり、仕事の構想を練ったりして過ごしている。


 野球に没頭した少年時代。振り返ると、基本練習を繰り返した日々だった。素振りは、中学生になったとき、同級生がバットを振る音に衝撃を受け、その頃からより一生懸命取り組むようになった。トスバッティングは、ワンバウンドでボールを相手へ返す基本練習、これは得意だった。家の近くの石の壁にボールをぶつけて跳ね返ってきたものを捕る、練習相手がいなくとも一人でできるので、繰り返しやっていた。


 仕事の基本、それは野球の基本練習のように、素振りであり、キャッチボールであり、トスバッティングであり、日々の積み重ねにほかならない。市役所の入り口で、今度はつえを突いた方のご家族から通行の支障についてご指摘を受けたとき、車いすの件を担当に伝えようとしていたことを思い出し、メモよりも早く電話で伝えた。市役所に出勤すると、現場は改善されていた。


 11月5日、荘内看護専門学校の継灯式に出席した。看護の心を受け継ぐ大切な式。それぞれの誓いの言葉には、いつも考えさせられる。「患者の気持ちに寄り添う看護師になりたい」、心構えを誓う言葉に交じって、「正しい知識と技術を習得したい」という決意に心がひかれた。基本を大切に専門職として大きく成長してほしい、挨拶に力を込めた。


 私たち行政の仕事は、地域の皆さんが抱える課題を共有し、その解決に向けて共に知恵を絞り、働きやすい、暮らしやすい環境をつくっていくこと。一球入魂の精神のよう、一つ一つのことをおろそかにせず、基本を大切に、初心に戻って、街の発展のために努力していきたい。

皆川 治

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