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広報つるおか2019.11月号

更新日:2019年10月29日

市長の一筆入魂(22)

 亀が逃げた。水槽の水替えをしている最中、ほんの一瞬目を離した隙をついて。慌てて辺りを見回したのだが、時間ばかりが過ぎていく。
 子供の頃も亀を飼っていた。湯尻川で父が見つけてきたものをたらいに入れて。数年もすると体が大きくなり、たらいを越えて逃げ出して家中を探し回った。小学生の私は、父と共に亀を池に放すことを善寳寺に相談に行った。まだ貝喰の池の人面魚が話題になる前だったように思う。
 9月18日、善寳寺公衆トイレの建替えを支援する補助金を含んだ補正予算案が、市議会予算特別委員会産業建設分科会の審査の結果、否決された。善寳寺からは市担当課に対し、平成30年7月に補助金による支援の要望があり、継続して検討、協議が行われてきた。本市は、本年5月、善寳寺の五百羅漢堂などが構成文化遺産と認められ、日本遺産「北前船寄港地・船主集落」に仲間入りしている。9月12日には荘銀タクト鶴岡を主会場に全国フォーラムが開催され、一連の行事の中で加茂地区の大黒舞などが披露された。善寳寺の築40年以上経過した二つの屋外トイレを一つに集約し、日本遺産もPRしつつ多くの観光客に使ってもらう、県のバリアフリー化推進補助金(200万円)の交付の見通しが立ったこともあり、これも含め総事業費の3分の2(1、400万円)を、観光振興のために補助することにしたのだった。地元との調整もついているとの報告を受けており、正直なところこの案件が争点になるとは思いもしていなかったが、議会側の主張にはもっともな点がある。「補正予算で対応する緊急性はなく当初予算に計上するべき」など何点ものご指摘をいただいた。
 話は変わるが、9月17日、旧朝日村大網の大日坊を訪問した。鎌倉時代の建立と言われ、仁王門としては国内最古とされる「大日坊仁王門」などの説明を受け、今後の文化財保全・活用について思いを巡らせた。9月22日は、三神合祭殿前広場での出羽三山シンフォニーへ。台風が近づきつつある影響で会場は羽黒体育館に変更されたが、自然と信仰のお山と山形交響楽団との共演に心地よく耳を傾けた。
 荘内神社や鶴岡天満宮はもとより、私の集落の稲荷神社まで、鶴岡市民は、それぞれの信仰の場を自然と共に大切に守り伝えて来た。善寳寺の様に、観光客をお迎えするための施設としてのトイレ整備の必要性に異議を唱える人はいないだろう。課題となるのはその手法である。民間の宗教法人が自ら整備するのか、行政がどこまで関与するのか、観光行政における官民の役割分担が問われる。今回は、民間への県・市による補助という手法を提案した。市議会が指摘する、どのような施設であれば補助対象となるのか、補助の水準が妥当かなどの精査は、今後の類似施設への展開を踏まえれば大事な点である。
 市議会9月定例会においては、執行機関として議会の判断を重く受け止め、善寳寺への補助の部分を削除し、民間のトイレへの支援の在り方、整備手法を含め、観光振興に資するトイレ整備の在り方について更に検討することとしたのだった。議会側のチェック、執行機関側の市行政の改善、その対話で私たちの街は公平・公正な市政へ、前へ進み、変わっていく。我が家の亀は、その後花壇の茂みの中で発見されたのだった。

皆川 治

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