心肺蘇生とAED使用の手順(ガイドライン2020に改訂されました)
更新日:2023年5月25日
心肺蘇生のガイドラインは、国際的な機関により5年ごとに新たなガイドラインが作成され、「ガイドライン2020」が最新となります。その後、これを基に日本の地域性を考慮した内容のものが作成され、令和4年(2022年)に日本版の「ガイドライン2020」として改訂されました。
主な改訂内容は、AED電極パッドの名称変更やオートショックAEDについての記載、新型コロナウィルス感染症流行期の救命処置についての記載などです。これに伴い当消防本部でも、救急講習などで使用している救命処置手順の資料を改訂されたガイドラインの内容に沿ったものに変更しています。ダウンロード版についてはページの最後に掲示しましたので、以前救急講習を受けたことのある方もご確認してみてください。
※赤文字部分が改訂された部分です。
自分の大切な家族、友人、そして隣人が突然倒れたとき、その命を守り救うために
- 安全を確認する
誰かが倒れるところを目撃したり、倒れているところを発見した場合は、近寄る前に周囲の安全を確認します。
2.肩をたたきながら声をかける
3.大声で応援を呼ぶ
4.119通報とAED手配を依頼する
5.普段通りの呼吸があるかみる
胸と腹部の動き(上がり下がり)を見て、「普段どおりの呼吸」をしているか10秒以内で確認します。
胸と腹部の動きがない、しゃくりあげるような
6.胸骨圧迫30回
「普段どおりの呼吸」がなかったら、恐れることなく、すぐに胸の真ん中に
- 強く・・・約5センチメートル沈み込むように
- 早く・・・1分間に100から120回のテンポで
- 絶え間なく・・・中断時間はできるだけ短く
7.あご先を持ち上げて空気の通り道をつくる
頭を後ろにそらせて
8.人工呼吸2回
胸の上りが見える程度の空気を、1回1秒かけて2回吹き込みます。
この後は、「
※人工呼吸ができない、感染防護具がなくためらわれる場合は、人工呼吸を省略して
※新型コロナウィルス感染流行期にあっては、成人の人工呼吸は行ないません。小児・乳児には、技術と意思があれば人工呼吸を組み合わせて行うことができます。
9.AEDが到着したら
AEDが到着したら、心肺蘇生を続けながらAEDを使う準備を行います。
- AEDを傷病者の近くに置きます。
- AEDの電源を入れます。(機種によっては、ふたを開けると自動的に電源が入るタイプもあります。以降は、音声メッセージとランプに従って操作します。)
- 傷病者の胸に電極パッドを貼ります。
10.電極パッドを貼り付ける
電極パッドを貼る位置は、電極パッドに書かれたイラストのとおり、肌にしっかりと密着させます。
機種によっては、ケーブル(プラグ)をAED本体に差し込む必要があります。
(この間も胸骨圧迫はできるだけ続けます。)
11.心電図の解析と電気ショック
「体から離れてください」の音声メッセージとともに、AEDは心電図を自動で解析します。
(誰も傷病者に触れていないことを確認して下さい。)
- 「ショックが必要です」の場合、ショックボタンを押す→胸骨圧迫から再開する
- 「ショックは不要です」の場合、胸骨圧迫から再開する
AEDはその後も2分おきに自動的に心電図の解析を行いますので、メッセージに従い心肺蘇生とAEDの手順を救急隊員が到着するまで繰り返します。
協力者がいる場合、1から2分を目安に胸骨圧迫を交代するのがよいでしょう。
※AEDの電極パッドは、救急隊員が到着するまではがさず、電源も入れたままにしておきます。
※AEDの電極パッドの名称が「成人用パッド」から「小学生~大人用パッド」に、「小児用パッド」から「未就学児用パッド」にそれぞれ変更されました。
※オートショックAED・・・2021年7月に認可された、電気ショックが必要な場合にショックボタンを押さなくても自動的に電気が流れる機種です。上記と同様に音声メッセージに従って使用してください。
心肺蘇生は、いつまで続けるか?
- 救急隊が到着し、引き継ぐまで。
- 倒れた人が目を開けたり、声を出したり、体を動かしたり、普段どおりの呼吸が出現するまで。
※心肺蘇生をいったん中止しても、傷病者を慎重に観察しながら救急隊の到着を待ちます。
心肺停止の傷病者が社会復帰するには、バイスタンダー(その場に居合わせた人)が、迅速に心肺停止を認識し、119番通報し、心肺蘇生を行うことが不可欠です。
緊急の事態に遭遇した時には、「的確」な行動ができるように応急手当を身につけましょう。
「救急車が来るまでに」あなたの大切な人を守りましょう。 (新しいウィンドウで開きます)
救命処置手順のダウンロードはこちら ♪
ガイドライン2020 成人・小児用 (PDF:1,431KB)
つなげよう救命の連鎖
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