【終了しました】平成29年度 春蚕飼育について
更新日:2017年7月6日
今年も春蚕飼育をはじめました
「鶴岡シルクタウン・プロジェクト」とは?
鶴岡市では、本市の近代化の礎となった絹織産業の文化を後世に保存・継承しながら、絹の新たな文化価値や創造性溢れる新産業を創出し、絹文化を活かした創造的なまちづくりを推進することを目的に、平成21年度から「鶴岡シルクタウン・プロジェクト」に取り組んでいます。
鶴岡市を中心とする庄内地域には、全国で唯一、絹織物の一貫生産工程が残っており、日本遺産にも認定されておりますが、この価値を重視し、産業だけでなく文化的側面、伝統的側面をあわせた振興・発展を目指しています。
平成29年度春蚕飼育
≪概 要≫
春蚕とは、春に掃き立て(孵化)した蚕のことで、気候も生育に適していることから収繭量も多く良質な繭ができやすいと言われています。今回鶴岡市で飼育する蚕品種、春嶺鐘月(しゅんれいしょうげつ)は、5月27日に掃き立てし、約4週間で繭になります。
本プロジェクトでは、絹文化、養蚕に関する啓発事業の一環として蚕飼育キットの無料提供を行い、幼稚園や保育園、小学校、福祉施設、繭人等に飼育体験に取り組んでいただいております。これまでも飼育体験でできた繭で織物を製作したり、鶴岡中央高校の”シルクガールズ”が鶴岡シルクを使用したドレスの製作・ファッションショーの開催を行っており、飼育体験を行った施設の方々もファッションショーのモデルとして参加していただくなど、「シルクのまち鶴岡」を広くPRしてきました。
今年は6月6日に松ヶ岡にて配蚕し、6月下旬に繭になるまで各施設で飼育体験を行います。飼ってみたいという方がいらっしゃいましたら、随時受け付けておりますので、下記までお問い合わせください。
【飼育体験お問合せ先】
松ヶ岡産業株式会社(おカイコさまの蔵)
TEL 64-1331
鶴岡シルクタウン・プロジェクト事務局(市役所政策企画課)
TEL 25-2111(内線525・526)
≪春蚕飼育実施状況(H29.6.7現在)≫
今年も多くの施設等から飼育体験の申込みをいただきありがとうございました。
松ヶ岡開墾場においても、蚕室での飼育(展示等)を行っております。
区分 | 施設等数 | 前年比 | キット数 | 頭数 |
---|---|---|---|---|
保育園 | 28 | +3 | 63 | 1,890 |
幼稚園 | 4 |
0 | 7 | 210 |
小学校 | 12 | △4 |
19 | 570 |
福祉施設等 | 3 | +1 | 4 | 120 |
繭人 | 19 | +9 | 27 | 810 |
小計 | - | - | 120 | 3,600 |
松ヶ岡開墾場 | - | - | - | 11,400 |
合計 | - | - | - | 15,000 |
※1キット=30頭
≪春蚕飼育日記≫
市役所では、政策企画課をはじめ、農政課、商工課、コミュニティ推進課、社会教育課(櫛引庁舎)などでも飼育を行っています。飼育の様子を随時このページで報告していきますので、市役所にお立寄りの際はぜひ蚕に会いに来てください♪
【6月7日(水曜日) くもり】 3齢~3眠
昨晩市役所に到着しました。5月27日に掃き立て(孵化)したお蚕様たちは、2度の脱皮を経て2.0~2.5cmほどに成長しており、食欲も旺盛です。
午後になると、食事を止め、頭を上に向けて「眠(みん)」に入った子たちも見られるようになりました☆
※「眠(みん)」とは...
脱皮前の段階で、桑を食べなくなり、足場を固定して動かなくなる状態のことを言います。
【6月8日(木曜日) くもり】 3齢~3眠
「眠」に入る予定のお蚕様たちですが、まだまだ桑の葉をたくさん食べています。
しかし、食べるスピードは昨日に比べるとゆっくり。
朝、昼、夕とあげていた桑の葉ですが、昼はあげずに様子を見ることにしました。
2.5~2.8cmくらいになってきたお蚕様、明日には脱皮しているでしょうか?
「眠」状態のお蚕様の隣で桑の葉をモリモリ♪
朝にあげた桑の葉が、午後になっても残っています。「眠」が近い証拠でしょうか。
【6月9日(金曜日) 晴れ】 3眠~4齢1日目
今日は晴れて気温も上がったこともあり、ぞくぞくとお蚕様たちが脱皮をしていました。
脱皮して2.8~3.0cmくらいになったお蚕様たちは、身体が白っぽくなり、小さかった脚も大きくなりました♪
脱皮を終えたお蚕様は、さっそく桑の葉を食べ始めています☆
赤い丸で囲まれたものが脱皮した殻です。
手前が脱皮したお蚕様、奥が「眠」のお蚕様です。
【6月10日(土曜日) くもり】 4齢1日目~2日目
昨晩のうちに、ほぼ全員が脱皮を終えた模様です。
外は風も強く荒れたお天気ですが、お蚕様たちはモリモリ食べて元気いっぱいです☆
体長は3.0cmを超えました
【6月11日(日曜日) 晴れ】 4齢2日目~3日目
どんどん食べて、どんどん大きくなっています。
体長は3.5cmほどです。
周囲の(人間の)皆様のご協力で、休日も朝昼晩3食バッチリ☆
朝にたっぷり桑の葉を用意しますが・・・
お昼にはすっかりなくなっています!
【6月12日(月曜日) くもり】 4齢3日目~4日目
朝から食欲旺盛だったお蚕様たちですが、夕方近くになると食べるペースがやや落ちてきたように感じます。
いよいよ最後の眠に入る兆候でしょうか。頭をあげて止まったと思ったら、また思い出したように動きはじめたり、なかなかやきもきします。今夜は桑の葉を与えて様子をみることに。
涼しい日が続いており、飼育表から2日ほど遅れていますが、元気いっぱい育って欲しいものです。
明日には眠に入るでしょうか☆
今朝の体長は4.0cmほどに
先週に比べると色も鮮やか?
【6月13日(火曜日) くもり】 4齢4日目~4眠
昨日の桑の葉は、朝になったらすっからかんでした!
夜のうちに眠に入ったお蚕様もいるようですが、ほとんどのお蚕様はまだ食べ足りない様子で、桑の葉を求めてくるくると頭を振っていました。
大きさも4.5cmほどに。肌もスベスベ、ひんやりとしていてついつい触りたくなってしまいます♪
市内の「繭人」が飼育しているお蚕様は、もう5齢に入ったところもあるようです。
飼育箱の隅っこで静かに眠・・・
身体をねじりながらも桑の葉を食べるお蚕様を発見!辛くないのかな?
同じところから食べるお蚕様たち。よっぽどここが美味しいんでしょうね♪
【6月14日(水曜日) 晴れ】 4眠~5齢1日目
昨晩から今日にかけて、ほぼ全頭が眠に入ったようです。
数頭は脱皮を済ませ、いよいよ5齢に入りました。
ようやくみんな眠りました
一生懸命体を動かして脱皮中。あと少し、頑張れ!!
無事に脱皮、よかった!
【6月15日(木曜日) くもり】 5齢1日目
朝、ほとんどのお蚕様の脱皮が終わっていました。大きさも5.0cm~5.5cmほどになりました。
5齢になると星状紋が薄くなり、眼状紋や半月紋がよりはっきりとしてきたように感じます。
これからは、繭になるまでひたすら桑の葉を食べ続けます!
目のように見えますが、実は「眼状紋」という模様です
仲良く並んでモグモグ♪
【6月16日(金曜日) くもり】 5齢2日目
5.5cm~6.0cmほどになりましたが、体を長く伸ばして桑の葉を食べているお蚕様は、もっと大きく感じます♪
体が小さいお蚕様を今日から別室に移して様子を見ることにしました。
やわらかい葉を与えると元気に食べてくれます。
このまま、無事に繭になってくれることを祈ります。
たくさんあげた桑の葉も、あっという間になくなります
どんどん食べて、大きくなあれ!
【6月17日(土曜日) くもり】 5齢3日目
今日も勢いよく食べ続けています。
朝と晩で大きさの違いをはっきりと感じるくらい、成長が早くなっています。
【6月18日(日曜日) 晴れ】 5齢4日目
飼育箱いっぱいに桑の葉を与えますが、半日ですっかり食べ尽くします。
お天気もよく、気温も上がりそうです。ますます成長が進むことでしょう!
姿が隠れるほどの桑の葉を与えますが・・・
すぐに葉を食べながら這い出てきました
【6月19日(月曜日) 晴れ】 5齢5日目
体長は約8.0cm、胴回りも1.0cmを超えて、太く大きく育っています。
土日の間、お蚕様たちの姿を見なかった職場の皆さんは、二日間での急成長に驚かれます。
5齢もいよいよ半分を過ぎ、後半戦です。
体長は8.0cm、色も鮮やかです!
計測中も止まらない食欲、葉の先を器用に真っ直ぐ食べました
【6月20日(火曜日) 晴れ】 5齢6日目
この時期らしい暖かい一日となりました。今日も休みなく食べ続けています。
5齢のこの時期、体の中では繭糸の原料となる液(液状絹)をためこんだ「絹糸腺(けんしせん)」がどんどん発達しているとのことです。
食べて糞をしているだけ・・・ではないのですね!緑の桑の葉が、白く美しい繭糸に変わる準備が着々と進んでいます。
眼状紋の「瞳」の部分の赤みも増してきているように感じます
【6月21日(水曜日) 雨 】 5齢7日目
体長は8.0cm~8.5cmになり、ずっしりと重みも出てきました。
成長が遅れていたお蚕様も、他のお蚕様と見分けがつかないくらい大きくなりました♪
今日は蔟(まぶし)を作成し、そろそろ始まる上蔟(じょうぞく)に備えました。
※「蔟(まぶし)」とは…お蚕様が繭(まゆ)を作る部屋のことです。
※上蔟(じょうぞく)とは…繭を作る部屋(=蔟)に上ることです。
今日もたくさん食べてます!
今年は4.0cm×3.5cmの蔟を作成しました。丁度、1部屋に1頭入るサイズです。
【6月22日(木曜日) くもり 】 5齢8日目
ついに上蔟(じょうぞく)が始まりました!!
夕方近く、桑の葉を食べるの止めて体を縮め、頭を動かしながら糸を吐く「熟蚕(じゅくさん)」の状態に入ったお蚕様が一頭おり、さっそく蔟(まぶし)に移してみると、頭をくねらせながら繭を作り始めました。
まだ食べ続ける仲間たちに先駆けて、始めの一頭が蔟入り。
部屋に幕を張るかのように糸を吐いています。どのように繭になっていくのでしょうか・・・
【6月23日(金曜日) くもり 】 上蔟1日目
今日1日で、約半数のお蚕様が「熟蚕」となり、繭を作り始めました。
お気に入りの部屋を探して歩き回っています♪
他のお蚕様も葉を食べるスピードがゆっくりになってきたので、今夜が上族のピークでしょうか?
蔟のふちを通って移動します。落ちそうで、少し心配。
残念、この部屋には先客が・・・諦めて別の部屋を探していました。
【6月24日(土曜日) 晴れ 】 上蔟2日目
上蔟が進んでいますが、まだ葉を食べているお蚕様も。
やはり繭は少しでも上に張りたいらしく、てっぺんまで上る子もいますが、最上階はすでに満室です・・・。
【6月25日(日曜日) くもり 】 上蔟3日目
残るはあと6頭。一番最初に繭を張り始めた子と3日の差。やはり生き物、それぞれのペースがあるようです。
【6月26日(月曜日) 雨 】 上蔟4日目
午後を迎えると、最後まで残っていた2頭がついに繭を張り始めました。
体を丸めながら、器用に楕円を作っていきます。
見慣れたお蚕様の姿も、明日にはすべて白い繭に包まれて見れなくなってしまうことでしょう…☆
【6月27日(火曜日) 晴れ 】 上蔟5日目
政策企画課で飼育していたお蚕様は、1頭も病気にかかることなくすべて繭になりました☆
すべてのお蚕様が糸を吐き終えるまで、しばらくこのままにしておきます。
糸を吐き終えると脱皮をして蛹になりますが、 蚕蛾(カイコガ)として羽化はさせずに、蔟から外して冷凍庫で保管します。
蔟に繭が入った状態が見れるのも、あと少しです。
少し汚れてしまったものもありますが、ほとんど白くて綺麗な繭です。
蔟に入らなくても、しっかりと繭になりました♪
【7月6日(木曜日) くもり 】 蛹化完了&集繭
蔟から取り外した繭を振ってみると、「カサカサ」という音がします。繭の中で無事に蛹になったようです。
繭を手のひらに乗せてみると、飼育を始めた頃はまだ小さかった幼虫が約1ヶ月で白い繭に包まれて蛹になる、生き物の不思議さを改めて感じました。
今年は気温が低い日が多く、予定より成長が遅れる傾向にありましたが、 繭人の皆様からもぞくぞくと繭が届けられています!
お蚕様の飼育を体験して、普段何気なく使っている「物」のありがたさ、「命」の大切さを学びました。
そして、この鶴岡に今も根付いている絹文化の素晴らしさ感じることができる貴重な体験となりました。
飼育日記については本日で終了させていただきます。
この日記を通じて、鶴岡の絹文化にご興味を持っていただける方が一人でも増えることを願っています。
これまでご覧いただき、どうもありがとうございました。
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電話:0235-35-1184
FAX:0235-24-9071
