第2回 佐久間麻都香さん（株式会社1Blue）
更新日：2024年8月9日
本市特産の「庄内柿」を使ったエナジーバー「SHONAI SPECIAL」の製造・販売等を営む佐久間さん。アウトドアショップや地元産直等での販売により認知度も上がってきて、今や元気のある事業者として活き活きと活躍されています。開業までのお話や取組に対する想い、今後の展望などをお伺いしました。
はじめに、庄内柿との出会いを教えてください。
仙台市出身の私が柿を食べて初めて美味しいと思ったのが庄内柿でした。山形大学大学院卒業後、庄内柿等を生産している農家で1年間農業研修した際、柿は栽培に手間がかかる反面、収入にあまり繋がらない果物であること、高齢化や担い手の減少等により柿栽培から手を引く農家が沢山いる現状を知りました。そこで、「柿農家を助けたい！」という思いで庄内柿の生産に取り組みました。
「庄内柿を使ったエナジーバー」商品化までのいきさつを教えてください。
庄内柿で新しい何かをできないか、何とかこの現状を好転できないかと思いながら、柿の生産と柿の葉茶の製造・販売等に取り組みました。なかなか商業ベースに乗らず悩んでいたところ、弊社代表でもあるデイビッドに出会いました。デイビッド曰く、一般的なエナジーバーの原材料として使われるデーツに、干し柿は食感が似ているとのこと。これだ！と思い、庄内柿を使ったエナジーバーの開発に舵を切ることにしたのです。庄内柿を使ったエナジーバーの開発ができるのは自分たちしかいないと思いました。開発は試行錯誤の連続でした。エナジーバーの材料には水分の少ない硬い干し柿が適しているのですが、通常販売されている干し柿では水分が多く材料には向いていないのです。そこで、干し柿を大量生産している農家に相談したところ、硬い干し柿は「ハジキ」として扱いに苦慮していたことがわかり、それを自分たちが仕入れることで材料を確保できました。つまりこのエナジーバーはSDGsにも貢献しています（笑）
仕事に取り組むうえで大切にしていることを教えて下さい。
これまでの経験を活かしながら、私たちでなければできないこと、やりたいことを優先して取り組もうと考えています。課題に突き当たったら、色々な人に相談してみる。そこに出会いがあり、仲間が増え、課題解決に向けた方策が開けると考えています。
庄内地方で100年以上生産されている庄内柿。エナジーバーには、その干し柿をメインに有機発芽玄米など可能な限り地元の自然の恵みから生まれる素材を使用したいと思っています。この地域に代々受け継がれてきた豊かな「食」を活かし続けられるように、地域の皆さんや農家との関わりを大切にして取り組んでいきたいです。
課題や苦労していることはありますか。
弊社のエナジーバーは、山登りをされる方、トライアスロン選手、テニスプレイヤーの方々等、アウトドアやスポーツでのニーズが高いのですが、季節によって販売量の波が激しいことから、通年で召し上がっていただくシーンを提案し、安定供給に繋げていきたいと思っています。自然由来の食材にこだわり、砂糖や添加物などを使用していないので、日常生活でちょっと小腹がすいた時にもおすすめです。
今後の展望、チャレンジしたいことを教えてください。
海外への輸出を予定しており、国内だけでなく世界にも販路を広げていきたいと思っています。もっともっと販路を拡大し、世界中の人々から手に取ってもらえるような商品を創っていきたいです。そして、このエナジーバーを通じて鶴岡の豊かな自然や農業、多彩な食文化を広くPRして、地域を元気にしたいと考えています。
現在、工場と事務室が手狭になってきたので、新しい工場に移るための取組を進めています。皆さんからも応援していただけたらうれしいです。
たくさんの経験と出会いが、今の自分をつくりあげ、前に進む原動力となっている。
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