このページの先頭ですサイトメニューここから
このページの本文へ移動
サイトメニューここまで


本文ここから

第7回 小泉綾子さん(松文産業株式会社 代表取締役)

更新日:2024年12月25日

 福井県に本社を置き、昭和7年に鶴岡市に工場を設置して今年で92年目、糸加工から織物まで手掛ける松文産業株式会社。「和協一心」を社是とし、時代の先を見つめ開拓精神を持ってチャレンジを続けている会社の代表である小泉さんに取組への想い、今後の展望などをお伺いしました。


まずは、「松文産業」についてご紹介ください。

 明治23年、福井県勝山市で手織り機30台をもって石上機業場を設立したのを発祥とします。その後横浜の生糸問屋・松文商店(松村文四郎社長)が経営一切を承継し、松文機業場を設立。昭和19年に松文産業株式会社に組織変更し、福井県勝山市と滋賀県栗東市、そして鶴岡市に生産拠点を構え現在に至ります。創業130年を超える織物業者として、メーカー様のオーダーを基に、受け身でなく常に提案をしながら、より良い製品を一緒に作り上げていく存在であることを目指しています。当社は現在、主に婦人紳士衣料、特に撚糸の技術を活かした中肉厚地のアウター素材の生地の生産を多く手掛けています。また、鶴岡工場は昨年株式会社ファーストリテイリングの生産パートナー工場に登録されるなど、世界基準の品質、生産管理を行っています。


糸を紡ぎ織物に加工する機械が何台も設置され稼働している


松文は鶴岡発祥の会社と思っていました。昭和7年に鶴岡工場を設置した経緯を教えてください。

 92年前のことですので諸説ありますが…。私が納得している説として、米沢にあった大手化学繊維メーカーの工場に、撚糸(糸に撚り(より)をかけること)の教え等を請うため糸を運んでいましたが、より安定した生産・成長のため、近くに当社の工場を持とういうことになり、良い場所を検討した結果、鶴岡に設置したということのようです。鶴岡が「国内最北限の絹産地」であり、撚糸の技術に長けていたことも大きかったと思います。今でいうリスクヘッジを行った形ですね。


本市に工場を設置して今年で92年目との事ですが、長い付き合いの中で鶴岡市のイメージと期待することを教えてください。

 鶴岡工場の従業員の方たちは本当に実直なんです。しっかりと作り込むとか、1回決めたらやり続ける持続力がある方が多いかなと思います。勝山の人たちは鶴岡といい意味で真逆の気質だと思います。企画の瞬発力・スタートアップは勝山、それを持続させ、しっかり作り込むのは鶴岡という形で、相乗効果というかお互いのいいところを生かして一体的に成長していきたいと考えています。
 そして食べ物が本当に美味しい。それを鶴岡の人たちは誇りに思っている。自分たちの良い所を認知し、誇りに思っているとしっかり言えることは、すごいと思います。
 他方、冬の移動はなかなか厳しいです。電車や飛行機の運航は冬の天気に左右されやすく、鶴岡には来られたけれど、勝山に帰れないこともしばしばありますね。勝山から自動車で移動することもありますが、片道530km・最速6時間半の移動となるため、早く高速道路が繋がり、よりスムーズに運転できればいいと思いますね。


鶴岡工場長の工藤さんと。小泉さんとともに鶴岡工場を支えている。

小さい頃から松文産業を継ごうと思っていたのですか。家業を継いだ理由とその当時の思い、現在の思いを教えて下さい。

 それが…まったく考えていませんでした(笑)。
 いろいろな事情が重なり、私が松文本社を継ぐことになりました。松文は家業ですので、祖父や父が一生懸命働き、レールをつないでくれました。私はこのレールにしっかりと乗り、次世代にそのレールをつないでいきたいという思いで会社を引き継ぎました。繊維業界の経営陣は男性が多く、男性主導色が非常に濃い業界の中で、女性社長就任は本当に珍しいと思います。私は世間一般の女性としての自分の感覚を忘れないよう、そして男女の隔たりのない居心地の良さを築いていけるよう心がけて経営にあたっています。まだ父が元気ですので、経営をする上で、フォローやアドバイス等をしてくれるので、とてもありがたいと思い、思い切って経営をすることが出来ていると感じています。タイミングを間違わず、事業を引き継ぐ判断をした父はすごいと感じています。


鶴岡工場での工程を終え出荷を待つ織物製品


日々、仕事をする上で大切にしていること、思いを教えてください。

「和協一心」
 当社の社是です。読んで字の如く、心を1つにして、みんなで力を合わせましょうということです。私たちの仕事は、1本の糸を何万本も集めて布にすることですが、この布にするまでにいろいろな工程を通して、本当にたくさんの人の手を、この糸が渡っていきます。前の人の思いを受け継いで、自分の思いを乗せて次の人に渡さないといけない。たすきみたいなものですね。そういう気持ちでやってこうと。チームで作るものなので、自分1人で作るような世界では全然ないよという思いで、私は従業員の皆さんにお話をさせていただいています。


今後の展望、チャレンジしたいことを教えてください。

 これまで築いてきた実績と信頼はしっかり守りつつ、時代のニーズを見つめ、チャレンジ精神を持って変化に対応していく、未知なる織物を追求し続けることが松文の使命だと思っています。鶴岡工場は、もともと山王町にありましたが、様々なタイミングが重なり、櫛引工場と統合し、現在地で操業しています。鶴岡工場はメインの生産場で、ものづくりの力を一番かけるのはここだと考えています。世界基準の認証も取得している工場でもありますので、会社としてもっとアピールしていきたいですね。先代をはじめとする諸先輩方が、ありがたいことに生産力のある鶴岡工場や豊富な人材を揃えてくれました。私たちは次の世代にこの財産をさらに発展させて引き継がないといけないと考えています。

お問合わせ

メールでの回答が必要な場合は、住所・氏名・電話番号を明記してください。

鶴岡市役所 商工課
〒997-8601 山形県鶴岡市馬場町9番25号
電話:0235-35-1299
FAX:0235-25-7111

本文ここまで



ページの先頭へ
以下フッターです。

鶴岡市 

〒997-8601 山形県鶴岡市馬場町9番25号 電話:0235-25-2111(代表番号) FAX:0235-24-9071
メール:tsuruoka@city.tsuruoka.lg.jp(問い合わせ先)
窓口受付時間 月曜から金曜日(祝日及び12月29日から1月3日までを除く)午前8時30分から午後5時15分
フッターここまで