このたび、国の文化審議会におきまして、「旧東田川郡役所及び郡会議事堂」を国の史跡に指定する旨の答申がなされました。
　
　「旧東田川郡役所及び郡会議事堂」は、明治中期に建設された郡役所と郡会議事堂、また大正末期に建設された旧東田川電気事業組合倉庫及び土蔵が建設当時と変わらぬ位置に現存する、当地の歴史文化を知るうえで極めて貴重な近代遺跡であります。
　
　旧東田川郡は、明治11年（1878年）の郡制施行から大正15年（1926年）の郡制廃止までの約半世紀の間に地域発展のため様々な事業を実施しております。中でも農地の生産力向上のために当時の先進技術である乾田馬耕法の普及に取り組んだ事、また地域農業の電化と産業の興隆のために全国的にも珍しい郡営の電気事業を開始するなどの革新的な取り組みを行った事は、旧東田川郡の米どころとしての発展につながる特筆すべき役割であったと言えます。今回の答申を契機に、多くの皆様より当市の歴史と文化に一層の関心を持っていただくことを期待しています。
　
　「旧東田川郡役所及び郡会議事堂」は現在「東田川文化記念館」として活用されておりますが、鶴岡市ではより皆様に親しまれる施設を目指すため、平成6年に策定した旧東田川郡役所等活用計画の見直しを進めております。これからも地域住民の皆様や関係者との連携を深めながら、地域の宝である文化財の適切な保存と活用に取り組んでまいります。
　
令和4年12月16日
　鶴岡市長　皆川　治

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