令和6年度山形大学学位記授与式(鶴岡地区)来賓挨拶(2025年3月17日)
更新日:2025年3月17日
卒業生・修了生の皆さん、本日は誠におめでとうございます。
学生の皆さんの学びと暮らしを支え、ご指導いただきました玉手英利学長先生、渡部徹農学部長先生、教職員の皆様、後援会・鶴窓会の皆様に心から御礼を申し上げますとともに、今日この佳き日を迎えられた卒業生・修了生の姿に、ご家族の皆様の感慨ひとしおのこととお慶び申し上げます。
およそ30年前、私も皆さんと同じく、農学を学び、農学士として大学を卒業しました。農場や演習林での実習、飲食店でのアルバイト、高山植物を求めて山に登ったサークル活動、どれもが懐かしい思い出です。
卒論は、米の流通をテーマにしました。当時、記録的な冷夏によって米が不足して、タイ米が輸入されました。時代は巡り、今、令和の米騒動などと言われています。アパートで自炊されている皆さんは、コメの値段が高い、電気代や灯油代が高い、苦労も多かったことと思います。
米価高騰の背景にある気候変動の課題に挑み、持続可能な地域社会の構築に貢献する農学には、SDGsを実践する学問として、各方面から大きな期待が寄せられています。
皆さん方の先輩は、日本各地で、鶴岡での学びを活かし、活躍しています。ここ山形、鶴岡でも、企業や行政のサービスの担い手となり、あるいは自ら業を起こし海外に販路を開拓しようとしています。また、地元の合唱や祭りに参画し、地域の一員としてユネスコ食文化創造都市の本市を盛り上げています。
私たち鶴岡市民は、山形大学農学部を応援し、共に街づくりに取り組んできました。
この2月、山形大学農学部と慶応先端研、鶴岡市が連携し、国の地方大学・地域産業創生交付金に採択されました。交付額が5年間で22億円の大型事業であり、中核市未満の本市の様な普通の市が採択されたのは、今回が初めてです。
また、一昨日、3月15日の日本経済新聞の1面のトップ記事で、本市の奨学金返済支援制度、つるおかエールが紹介されました。山形大学農学部を卒業して本市に就職された方に、最大約200万円を支援する制度です。
今後、国の支援を受ける「鶴岡ガストロノミックイノベーション計画」に基づき、農学とバイオのそれぞれの強みを活かした研究開発を加速します。その研究開発から若い人が活躍できる仕事を作り、最大約200万円の奨学金返済支援「つるおかエール」などによって、農学部の皆さんの地元就職を後押ししてまいります。
結びに、我が家には、山形大学農学部の留学生からいただいた、ビニール袋でつくったサッカーボールがあります。10年前、留学生との交流会に参加した小学生だった長男が、ウガンダからの留学生からいただいたものです。庄内平野をフィールドに、ローカルとグローバルの両面で課題解決に貢献する山形大学農学部には、コロナ禍を越えて、今、再び多くの留学生が学んでいます。
共に汗を流した日本の仲間、海外の仲間との絆を大切に、卒業生・修了生の皆さんが輝かしい未来に向かって歩み出されることに心からエールを送るとともに、山形大学農学部の益々のご発展を心よりご祈念申し上げ、お祝いの言葉といたします。
令和7年3月17日
鶴岡市長 皆川 治
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