令和7年 市長新年賀詞(2025年1月6日)
更新日:2025年1月6日
皆様、新年明けましておめでとうございます。
巳年の新春を祝う賀詞交換会に、加藤鮎子先生をはじめ各界を代表する皆様にご臨席を賜り、誠にありがとうございます。
暦の上では9連休という長い年末年始となりました。土砂災害や、地震、豪雨に悩まされたここ数年を振り返り、穏やかに年を越せたことに、喜びを感じられた皆様も多かったのではないでしょうか。
さて、本年は、平成の大合併から20周年の節目の年であります。
大晦日、私は、昨年に続き、出羽三山神社に伺いました。手向地区の若者が大松明を引き合う行事は、我が国における新年を迎える行事を考察する上で重要であり、国の無形民俗文化財に指定されています。松聖が控える補屋で頂戴した「とんぶりのおにぎり」には、年越しの食文化の魅力がつまっていました。
手向地区は、昨年10月、国際認証団体であるGreen Destinationsから、「世界の持続可能な観光地TOP100選」に選出されました。令和の大改修を終えた五重塔は荘厳さを増し、来年の午歳御縁年にかけて、多くの参拝者、観光客が見込まれます。「全ての道は出羽に通ずる」戦略によって、宿坊街の魅力を高め、付加価値の高い観光地づくりを推進してまいります。
国指定史跡「旧東田川郡役所及び郡会議事堂」を核とする、藤島歴史公園Hisu花では、来週の成人の日まで、15万個のイルミネーションが訪れる人を楽しませてくれます。観光協会はもとより、ライオンズクラブや庄内農業高校、更には大東文化大学の学生の皆さんが協力するこの街づくりイベントは、若い世代が中心となって運営される、冬の風物詩となりました。
地域を担う人材育成とその環境整備の重要性は論を待たないところであり、先月の定例教育委員会においては、藤島、東栄、渡前の各小学校と藤島中学校を統合し、新たに設置する学校の形態は施設一体型義務教育学校とすること、が議決されております。引き続き、藤島文厚エリアの施設整備も含め、地域住民の皆様の声を伺いながら事業を進めてまいります。
今年6月を目途に供用開始予定の新朝日庁舎・消防署朝日分署は、本市では初めてとなる建築物省エネ法に基づくゼブ・レディーの公共施設です。併せて地元産の未利用木材を燃料にしたチップボイラーを整備し、暖房や融雪に活用します。
朝日庁舎では、行政手続きのデジタル化を他地域に先行して進めており、昨年12月には、住民票等の発行に際し、タブレット端末を使った「書かない窓口」を導入したところです。
また、昨年10月、1200年以上の歴史のある古道「六十里越街道」の維持管理と魅力発信の功績が認められ、活動主体のアルゴディア研究会が環境省の「自然歩道関係功労者表彰」を受賞されました。アドベンチャーツーリズムが注目される中、ぶどう葉餅などの食文化の活用を含め、一年を通した誘客につながる取組みを進めてまいります。
「R天国」のスキー場として全国的に注目されている湯殿山スキー場については、駐車場の舗装整備、圧雪車の更新を行ったところであり、今シーズンも大勢のお客様にご来場いただいております。
櫛引地域においては、昨年10月、台湾と王祇会館をオンラインでつなぎ、黒川能保存伝承研究会において、鶴岡市国際観光大使であるベンジャミン・リャオさんから講話をいただきました。
近年増加している海外からの旅行者、インバウンド需要に対応すべく、昨年は、王祇会館に英語の音声ガイダンスが聞けるシステムを整備し、8月から運用を開始しております。
令和元年の山形県沖地震から5年となる節目に開催した鶴岡市防災講演会では、大西一史熊本市長をお招きし、熊本地震での災害対応などのご講話をいただきました。その際、加藤清正公・忠廣公のご縁から、丸岡、天澤寺をご訪問いただき、顕彰会の役員の皆様との交流を深めることができました。
今後も、丸岡城跡史跡公園や黒川能などの地域資源を活用するとともに、朝日地域など近隣地域とも一層連携しながら、観光誘客、地域活性化につながる取組みを進めてまいります。
温海地域には、令和9年に、鼠ヶ関に新たな道の駅が整備されます。この事業は、施設の設計(D:デザイン)、建設(B:ビルド)、維持管理・運営(O:オペレート)を、事業者に一括発注する「DBO方式」を採用し、「株式会社夕陽コミュニティ」を事業者に選定しています。
新年度の整備着工に向けて、設計・建設請負契約を締結し、現在、基本設計策定に取り組んでいます。日本海に手が届く道の駅として、夕陽の美しさに触れ、摩耶山、月山、日本海のアクティビティの起点となる道の駅を目指します。
個性あふれる旧町村地域と中心市街地が共に発展すべく、私たちは多くの課題に直面しつつも、歩みを止めず、取り組んでまいりました。
昨年末にかけて、本市のまちづくりの取組みが、立て続けに4つの表彰を頂戴いたしました。(1)食文化創造都市推進協議会が作成した『つるおか食の原風景』がふるさとパンフレット大賞における審査員特別賞を、(2)庄内交通と共に取り組んでいる地域公共交通・市内循環バスの取組みが国土交通大臣表彰を、(3)荘銀タクト鶴岡による文化による新たな交流を創出した取り組みが、山形県内初となる地域創造大賞(総務大臣賞)を、さらには、JA鶴岡と連携した「つるおかコンポスト」による取組みが、国内肥料資源利用拡大アワードにおける国土交通省上下水道審議官賞を受賞しました。
まちづくりの基盤はどこにあるのか。昨年、そして今年、2学区、4学区、そして5学区がコミュティ振興会の創立40周年の節目を迎えました。豊かな自然、歴史・文化の下で、主体的に活動するコミュニティ、企業、行政、連綿と受け継いできた考える街づくりが、私たちの街を創造と伝統の街たらしめてきました。
間もなく完成する荘内看護専門学校も、来年新たな姿を現す加茂水族館のリニューアルや、スクラップアンドビルドの人工芝グラウンド整備、松本十郎翁の生家跡地に整備予定の放課後児童クラブや、中央児童館と連携する新第2コミセンの整備、鶴岡らしい新図書館や新給食センターの構想づくりに、主体的に、総合的に、創意工夫を発揮して取り組んできました。
今年は、戦後80年、あるいは昭和100年、という大きな節目の年でもあり、経済、社会がどのような方向に向かうのか、様々な論評が行われております。
本市の強みである、食文化の根幹たる農林漁業を基盤としつつ、新たな産業団地の開発による多様で魅力的な職場づくりや、高等教育機関と連携したベンチャー育成、起業・創業の促進と、奨学金返済支援制度などを通じた若者の地元回帰・定着、活力ある地域づくりに引き続き取り組んでまいります。
結びに、合併20周年の節目の年に、誰ひとり取り残さず、多様な価値観を認め合う、「ほんとうの豊かさを追及する みんなが暮らしやすい 創造と伝統のまち鶴岡」に力を合わせて向かっていくこと、本日ご参会の皆々様の飛躍とご多幸を心より祈念申し上げ、年頭にあたっての賀詞といたします。
令和7年1月6日
鶴岡市長 皆川 治
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