令和7年市長年頭挨拶(鶴岡市ケーブルテレビジョン 1月1日放送より)(2025年1月1日)
更新日:2025年1月1日
櫛引地域、朝日地域の皆様、新年明けましておめでとうございます。
令和7年の新春にあたり、一言ご挨拶を申し上げます。
昨年は、能登半島の地震に始まり、7月の豪雨災害が庄内、最上地方に大きな被害をもたらしました。改めてお亡くなりになられました皆様のご冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された皆様にお見舞いを申し上げます。本年が災害のない、穏やかな1年となりますことを心からお祈り申し上げます。
6市町村が広域合併して20年、本市が東北一広い街となった平成の大合併から、今年で20周年を迎えます。
旧鶴岡市と藤島、羽黒、櫛引、朝日、温海の旧町村のそれぞれの個性、地域資源を活かすことが重要であり、引き続き、中心市街地の活性化と各地域の主体的な街づくり、魅力を活かす施策を展開してまいります。
はじめに、櫛引地域における主な取組みについて申し上げます。
現在、昨年策定した櫛引地域振興計画に掲げた3つの柱、すなわち(1)フルーツの里づくりの推進と、地域資源を活かした観光連携、(2)黒川能など貴重な歴史文化の活用と継承、(3)コミュニティの活性化と明るく健康で暮らしやすい地域づくり、を推進する各種事業に取り組んでおります。
果樹生産の振興につきましては、多品目・多品種の強みを生かし、フルーツの食べ比べイベントの開催など、ブランド化の推進や、観光果樹園への一層の誘客に取り組んでまいります。
また、生産者の皆様にご協力いただきました果樹生産実態把握調査や、意見交換会を踏まえつつ、本市の更なる果樹、農業振興を図るべく、鶴岡市立農業経営者育成学校(SEADS)との連携を含め、園地継承の仕組みづくりに取り組んでまいります。
昨年は、昭和29年に山添村と黒川村が合併し、櫛引村が誕生して70周年の節目の年でありました。これを記念し、8月に荘銀タクト鶴岡において「櫛引ゆかりの偉人展」と、「黒川能 特別公演」を開催いたしました。
「偉人展」においては、第47代横綱「柏戸剛」関、彫刻家「富樫実」氏、綴織(つづれおり)工芸家「遠藤虚籟(きょらい)」氏、洋画家「森田茂」氏の紹介と作品、ゆかりの品を展示しました。普段見られない展示物が話題となり、期間中は市内外から多くの方にご来場いただきました。
10月には、黒川能保存伝承研究会を開催し、台湾と王祇会館をオンラインでつなぎ、鶴岡市国際観光大使であるベンジャミン・リャオさんから講話をいただきました。
近年増加している海外からの旅行者、インバウンド需要に対応すべく、歴史文化施設の多言語化を推進してきたところです。昨年は、王祇会館にQRコードで英語の音声ガイダンスが聞けるシステムを整備し、8月から運用を開始しております。
令和元年の山形県沖地震から5年となる節目に開催した鶴岡市防災講演会では、大西一史熊本市長をお招きし、熊本地震での災害対応などのご講話をいただきました。その際、加藤清正公・忠廣公のご縁から、丸岡、天澤寺をご訪問いただき、顕彰会の役員の皆様との交流を深めることができました。
今後も、丸岡城跡史跡公園や黒川能などの地域資源を活用するとともに、朝日地域など近隣地域とも一層連携しながら、観光誘客、地域活性化につながる取組みを進めてまいります。
「くしびき温泉ゆーTown」につきましては、健康教室などのフレイル予防事業にも取り組んでおり、コロナ禍以前の入浴者数まで回復しております。
また、マスコットキャラクター「ゆ~たん」は、多くの方から親しまれ、施設の盛り上げ役として活躍しております。
今後とも、健康づくりの拠点として、親しまれる日帰り温泉として、施設の改修・修繕も計画的に進めてまいりますので、是非皆様にご利用いただきますようお願い申し上げます。
櫛引花と緑の会の取組みの一環であります「国道112号線沿いの植栽活動」につきましては、昨年8月に道路愛護団体・国土交通大臣表彰を受賞されました。近年は櫛引中学校の生徒の皆さんからも活動にご協力いただいており、素晴らしい地域貢献活動に心から感謝を申し上げます。
続いて、朝日地域における主な取組みについて申し上げます。
朝日地域では、国の登録無形民俗文化財となった笹巻づくりや、とち餅、山ぶどうをはじめとする特産品の販売拡大、湯殿山スキー場、六十里越街道の魅力を広く発信する取組みなど、農林業や観光業の振興に力を入れております。
また、雪の多い地域の定住に向けた暮らしを守る取組みについても、重要な課題と認識しております。地域内での助け合いによる除雪体制づくりへの支援や、高校生の通学や高齢者の通院、買い物など、生活に必要な公共交通の確保にも引き続き取り組んでいるところです。
若い人材の育成では、朝日中学校の生徒と住民が、人口減少や高齢化などの地域課題や解決策について意見交換する「地域語り合い」の開催のほか、朝日地域の未来を担う若者のプロジェクト「チーム・ワゲショ」による交流人口の拡大に向けた取組みなどを推進しております。
現在、整備が進んでいる朝日庁舎・消防署朝日分署改築事業は、令和7年度第1四半期の供用開始の予定となっております。
新庁舎の特徴の一つとして、環境に配慮した公共施設であることが挙げられます。地元産の未利用木材を燃料にしたチップボイラーから発生する熱を、暖房や融雪に活用するほか、市内の公共施設では初めてとなるゼブ・レディーという建築物省エネ法の基準に合致した建物として整備しております。
また、新庁舎1階には、高校生や中学生が勉強するなど、地域の皆さんが自由に利用できる多目的スペースを設けることにしております。併せて、路線バスの待合室としてもご利用いただけますので、一年を通じて朝日地域の観光や特産品の情報をPRしてまいります。
庁舎整備に併せて行政手続きのデジタル化も他地域に先行して進めております。大網診療所と上田沢にある南出張所では、WEBカメラを使ったオンラインによる各種証明書の交付を行っておりますし、庁舎に設置されたセブン銀行のATM端末では、マイナンバーカードの健康保険証の利用申込が可能となっています。また、昨年12月より、住民票等の発行に必要な書類記入の手間を省略できる、タブレット端末を使った「書かない窓口」を取り入れ、住民の皆様の利便性も高めております。
「かたくり温泉ぼんぼ」につきましては、昨年4月から公募により選定されたNPO法人こみっとAFCによる営業がスタートしております。
温泉事業のほか「健康の里ふっくら」も一体的に利用した「あさひマルシェ」のイベント開催や、地域内の観光協会をはじめたとした各種団体との事業連携により、温泉の利用拡大にも取り組んでいただいております。
また、温泉と併せた「フレイル予防事業」にも地域まちづくり未来事業として取組んでおり、地域住民の健康長寿と安定した運営の継続のため、今後も工夫をこらした取組みを進めてまいります。
観光振興につきましては、「R天国」のスキー場として全国的に注目されております湯殿山スキー場は、朝日地域のみならず、鶴岡市全体の冬季観光の目玉施設となっております。魅力あるスキー場の整備に向けた方針や、宿泊事業者との連携などについて、関係者との話し合いを重ねてまいりました。駐車場の舗装整備及び圧雪車の更新を行ったところであり、今シーズンも大勢のお客様にご来場いただいております。
また、櫛引地域の松根から朝日地域を通り西川町へと続く、1200年以上の歴史のある古道「六十里越街道」に関しましては、昨年10月、街道の維持管理と魅力発信の功績が認められ、活動主体のアルゴディア研究会が環境省の「自然歩道関係功労者表彰」を受賞されました。アドベンチャーツーリズムが注目される中、観光資源として大きな可能性を有する街道であり、市では、看板設置やトイレの清掃など、街道の維持管理にかかる費用を支援しているところです。アルゴディア研究会と連携し、ぶどう葉餅などの食文化の活用を含め、一年を通した誘客につながる取組みを進めてまいります。
本年は、荘内看護専門学校の新校舎の竣工が予定されており、令和8年予定の加茂水族館のリニューアル、令和9年予定の新産業団地の分譲開始、鼠ヶ関への新たな道の駅の整備や、旧鶴岡病院跡地への多目的人工芝グラウンド整備、更には、新給食センターや新図書館の整備など重要課題が山積しています。
平成の大合併から20周年の本年、目指す都市像「ほんとうの豊かさを追求する みんなが暮らしやすい 創造と伝統のまち鶴岡」の実現に向けて、引き続き市民の皆様との対話を重視し、街づくりへの市民参画を更に促進しつつ、各般の施策、事業に取り組んでまいります。
本年が、櫛引地域・朝日地域の皆様にとりまして実り多い年となりますことを心からご祈念申し上げ、年頭のご挨拶といたします。
令和7年1月1日
鶴岡市長 皆 川 治
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