令和7年度鶴岡市市制施行記念式典 式辞
更新日:2025年9月24日
鶴岡市市制施行20周年記念式典の開催にあたり、謹んで式辞を申し上げます。
本日、市政功労、特別表彰、善行表彰、感謝状をお受け取りになられる皆様、誠におめでとうございます。また、ご来賓各位、兄弟都市、姉妹都市、友好都市、近隣自治体からも、この節目の式典にご臨席を賜り、厚く御礼申し上げます。
渇水を乗り越えた黄金色の水田が、稲株に変わってきました。人々は芸術とスポーツを楽しみ、間もなく「魚のおいしいまちキャンペーン」が始まる、鶴岡の実りの季節を迎えました。
平成の大合併。自治体の数が半減した地方制度史に残るその改革には、産みの苦しみがあり、また、想定以上に人口減少が進むという事態が生じるなど、その歴史的評価を巡っては、様々な議論が交わされております。
十年一昔という言葉よりも、世の移り変わりが激しい時代。6つの市町村が一つになった20年という歳月の中には、私たちの記憶に残る、多くの出来事がありました。
戦後80年という節目の年から振り返るとき、平成23年に平和都市宣言をしたことには大きな意義がありました。江戸川区との学童疎開をめぐる歴史は、決して風化をさせてはならない、記録と記憶をつないでいく必要があります。
脳裏から離れない被爆体験。洋画家の三浦恒祺先生は、核なき平和を祈りながら、創作活動に取り組んでおられます。この度、先生から、霊峰月山の絵画を本市にご寄贈いただくこととなりました。三浦恒祺先生、本当にありがとうございました。皆様大きな拍手をお願い申し上げます。
先日、中心市街地にクマが現れました。この9月に施行されたばかりの改正鳥獣保護管理法(第38条の適用除外)に基づき、「緊急銃猟」という新たな制度の発動を判断したのは全国初のことだったようです。そこで、私たちは、東北一広いまちに暮らしている、ということに改めて気付き、山々と平野を川がつなぎ、やがては海に至る、大きくなった鶴岡市の姿が浮かびあがります。
今年6月、朝日地域の庁舎改築に際し、消防署朝日分署を合築し、供用を開始しました。この建物は、市内の公共施設では初めてとなるZEB Readyの認証を受けており、従来の建物で必要なエネルギーを50%以上削減しています。また、鶴岡産の木材を活用するとともに、木質チップボイラーを導入しています。他の庁舎に先駆けてデジタル技術を取り入れ、湯殿山スキー場の魅力アップにR天国推進室を設けるなど、働き方も変えた新たな庁舎像の確立を目指しています。
昨日私は、櫛引地域で宝谷そばを食べてまいりました。でわ宝の甘みと歯ざわり、イタドリの煮物、そして何よりも、調理をする方々の笑顔に、感動をいただいてまいりました。
まだ暑かった8月9日、黒川地区の春日神社において、公儀の翁伝授山籠りの結願日を迎える祭典が行われました。下座から上座へ、また、上座から下座へ、伝授されてきた神事能が、本日の20周年の節目に披露されることは、私たちの誇りです。
8月15日、藤島地域の大川渡、谷地興屋において継承されてきた大谷獅子舞が、7年ぶりに奉納上演されました。丸に片喰の誇りを受け継ぎ、中獅子の息子と共に舞った父との親子競演獅子踊りが、大きな感動を呼びました。
幻のうどん・庄農うどん。秋のイベントとして定着した「庄農うどん大作戦」は、10月12日まで実施され、人気を博しています。
8月23日に、手向地区自治振興会などと「持続可能な歴史・観光まちづくり推進に関する協定」を締結しました。精神文化を投影した宿坊街の街並み景観整備には、市も一緒になって取り組んで来ました。協定締結を踏まえ、空き家問題にも踏み込んで対応していくこととしております。
随神門から五重塔を経由して羽黒山山頂へ、後に新島村に渡った天宥別当などが植林に取り組んだ杉並木が広がっています。国の特別天然記念物の杉は、指定時の585本から生存木537本となっており、令和からその先へ、手向のまちづくりと共に杉並木を未来へつなぐ取組みが問われています。
8月30日には、鼠ヶ関に整備する新しい道の駅の工事に着手する、その安全祈願祭が行われました。日沿道の早期開通を目指しつつ、かつて義経が通った関所に、交流人口拡大の拠点となる施設が令和9 年にオープンします。
私たちの先人は、時代に翻弄された加藤忠廣公を受入れ、鹿児島と徳の交わりをし、木古内、名寄の開拓の曙となってまいりました。
今、私たちは、「鶴岡ガストロノミックイノベーション計画」の推進や、令和9年度の分譲開始に向けた新たな産業団地の造成、新図書館整備基本構想に基づく図書館整備や、学校給食発祥の地、食文化創造都市に相応しい学校給食センター整備など、多くのまちづくりプロジェクトに取り組んでいます。
また、民生委員・児童委員の皆様のご協力も得ながら、介護が必要な高齢者、障害のある方、困難を抱えたこども、誰もが住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるよう、重層的な支援、地域包括ケアの推進に取り組んでいます。
この20年、各地域の魅力を取り込むことで、本市は、全国最多3つの日本遺産、4つの国民保養温泉地を誇っています。11月には、庄内と台湾を結ぶ国際チャーター便が就航し、来年夏にはJR 東日本の重点共創エリアとして、「山形庄内」夏の観光キャンペーンが展開されます。羽黒山午年御縁年、加茂水族館リニューアルオープンが重なる中、県内トップの製造業、食文化と結びついた農林漁業、世界が注目するサイエンスパークに続き、鶴岡の魅力がつまった観光を、地域の豊かさへとつなげてまいります。
結びとなりますが、合併20周年を迎えた鶴岡市の諸活動にお心をお寄せいただき、日々ご尽力されておられます市民の皆様、関係者各位に、重ねて衷心より感謝と御礼申し上げます。6つの地域が誇る自然、歴史・文化、産業の価値を将来に渡って高め、創造と伝統のまち鶴岡が飛躍するよう、引き続きご指導とご協力を賜りますようお願い申し上げますとともに、ご参列の皆々様のご多幸を心よりご祈念申し上げ、式辞といたします。
令和7年9月24日
鶴岡市長 皆 川 治
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