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鶴岡市名誉市民推戴式 式辞(2023年7月29日)

更新日:2023年7月31日

 鶴岡市名誉市民推戴式を挙行するにあたり、謹んで式辞を申し上げます。ご来賓各位におかれましては、本式典にご臨席を賜り、厚く御礼申し上げます。
 
 ただいま、冨田勝様を、鶴岡市名誉市民にご推戴申し上げました。鶴岡市名誉市民に関する条例の規定に基づくこのたびの推戴は、新市となりましてからは、平成19年の山崎誠助様、北村昌美様に次いで3人目であり、広く社会文化の興隆に寄与され、市民が郷土の誇りとして深く尊敬いたす方に対し、鶴岡市議会の同意を得てお贈り申し上げるものでございます。また、長年、冨田先生を支えてこられた令夫人 有子様に心よりお慶び申し上げます。
 
 冨田勝様は、昭和32年に東京都でお生まれになり、慶應義塾大学を卒業され、米国での勤務を経て、平成2年に日本へ帰国後、慶應義塾大学環境情報学部助教授、同教授を歴任され、平成13年に本市に開設された慶應義塾大学先端生命科学研究所の所長となられました。
 
 開設当初から本年3月まで、22年の永きにわたり所長を務められ、世界が注目する今日の鶴岡サイエンスパークの礎を築いていただきました。
 
 冨田先生は、生命科学に情報科学など異なる学問領域を融合させた統合システムバイオロジーという新しい分野のパイオニアとして、生体内の代謝物を網羅的に計測するメタボローム解析技術の確立をはじめ、先駆的な研究成果を数多く上げておられます。
 
 新産業の創出にも意欲的に取り組まれ、研究成果の事業化を強力に後押しし、平成15年には最初のベンチャー企業であるヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ株式会社、その後も、Spiber株式会社をはじめ、多くのベンチャー企業の創業にご尽力を賜りました。
 
 また、本市の教育環境の充実にも先頭に立って取り組まれ、地域の生徒を高校生研究助手・特別研究生として受け入れる制度を創設されました。さらには、生命科学に関する研究成果を発表する「高校生バイオサミットin鶴岡」を企画されるなど、次世代を担う人材の育成に大きく貢献されました。
 
 こうしたご功績の下に、科学技術政策担当大臣賞、文部科学大臣表彰科学技術賞、河北文化賞、安藤百福賞大賞など、数多くの表彰をご受賞されておられます。
 
 また、平成17年に国際メタボローム学会の第1回国際会議を本市で開催されたほか、近年では、冨田先生が中心となって設立した協議会が主催する「国際バドミントンU16庄内招待2023」が本市において開催され、世界各国から若き才能溢れる選手が参加するなど、地方都市が世界と直接つながる具体的な姿をお示しいただきました。
 
 冨田先生の足跡は、生命科学分野における学術振興はもとより、人材育成、バイオベンチャー創造と雇用創出、研究成果を活用した健康・医療への貢献など、多分野にわたり、誠に大きなものがあります。
 
 冨田先生が、本市発展のために注がれた情熱に、深甚なる敬意を表しますとともに、市民を代表し深く感謝を申し上げます。引き続き、創造と伝統のまち・鶴岡の街づくり、将来を担う若き人材の育成のため、ご指導、ご鞭撻を賜りますよう、お願い申し上げます。
 
 結びに、冨田勝様、令夫人 有子様、ご家族様のご隆盛とご健勝を心よりお祈り申し上げますとともに、本日ご臨席の皆々様のご多幸をご祈念申し上げ、式辞といたします。
 
令和5年7月29日
 鶴岡市長 皆川 治

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