このページの先頭ですサイトメニューここから
このページの本文へ移動
サイトメニューここまで


本文ここから

広報つるおか2022.5月号

更新日:2022年4月28日

市長の一筆入魂(51)

 眠りから目覚めるとウグイスの声が聞こえる。厳しい冬を越え、春のお祭り、田植えの準備が進む。湯田川の梅林公園では梅が満開を迎えていた。鶴岡の伝統的なお菓子も、季節を運んでくる。先般、文化庁の支援を受けて「鶴岡雛菓子」「笹巻」「とちもち」の3つを取り上げ、歴史的価値や文化的価値についての調査研究を行った成果を公表した。地域や家庭、職人の手によって受け継がれてきたつるおか伝統菓子は、四季のうつろいと歴史を感じさせる。

 コロナ禍で夜の用務が少なくなり、車で子供の迎えを担当することが増えた。思い返せば、子供の頃はほとんど自転車で移動していたので、親に送迎してもらうことはめったになかった。祖父母はよく「鶴岡」に行ってくると言って自転車で出掛けていた。昭和30 年に鶴岡市に編入された地域に住む祖父母にとって、「鶴岡」とはお店などがある街の中といった意味合いだった。


 孟宗の季節のある日、祖父の自転車の後ろに付いて小さな自転車を30 分ほどこいだ。着いた先は殿様のお屋敷だった。自転車の後ろにひもでしっかりと縛り積まれていたのは、祖父が朝掘った孟宗だったのだ。この季節になると思い出す、殿様の同級生だった祖父のこと、少年時代、城下町の記憶。


 4月7日、151年の開墾記念日の松ヶ岡を訪ねた。シルクミライ館は四番蚕室の外観を活かしつつ、中に入ると、シルク産業の歴史を入り口に、最新の美しいデザインの製品が並び、糸紡ぎや手織りなどの体験もできる施設にリノベーションされていた。


 4月8日、根室市からおいでになった株式会社藤井水産の藤井景介社長にお会いした。根室の基礎を築いた松本十郎翁は、現在の若葉町で生まれた旧庄内藩士。明治2年に移民130人と共に北海道開拓使判官として根室に入り、今もって松本町の名が残るなど、根室の父として敬われている。藤井社長は根室市長のご名代として本市にエゾヤマザクラをお持ちになったのだった。また、札幌の桑園地区の開拓に松本翁と松ヶ岡の開墾士が当たったことはよく知られている。折しもウクライナ、そして世界がロシアの脅威に直面している。蝦夷地から北海道への時代の過渡期の中、北方警備と開拓に当たった庄内藩士から連なる壮大な歴史に、胸が熱くなった。藤井社長にはサムライゆかりのシルク製品を感謝と友好のあかしとしてお渡しした。


 4月4日、恒例の市長講話で新規採用職員の皆さんにお話をした際、今日からがスタート、日々の積み重ね、そして課題解決に挑むことの重要性を述べた。現状を把握、分析し、どう対応するか、政策手段を考える、市役所の仕事は市民の皆様の課題を解決することに行き着く。私たちはどこから来てどこへ行くのか、酒井家庄内入部400年の本年、先人が残してくれた伝統を、創造的に継承・発展させていく必要がある。


皆川 治

お問合わせ

メールでの回答が必要な場合は、住所・氏名・電話番号を明記してください。

鶴岡市役所 総務課
〒997-8601 山形県鶴岡市馬場町9番25号
電話:0235-25-2111
FAX:0235-24-9071

本文ここまで

サブナビゲーションここから

市長の一筆入魂

編集

マイメニューの機能は、JavaScriptが無効なため使用できません。ご利用になるには、JavaScriptを有効にしてください。

情報が見つからないときは

サブナビゲーションここまで


ページの先頭へ
以下フッターです。

鶴岡市 

〒997-8601 山形県鶴岡市馬場町9番25号 電話:0235-25-2111(代表番号) FAX:0235-24-9071
メール:tsuruoka@city.tsuruoka.lg.jp(問い合わせ先)
窓口受付時間 月曜から金曜日(祝日及び12月29日から1月3日までを除く)午前8時30分から午後5時15分
フッターここまで