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広報つるおか2022.12月号

更新日:2022年11月22日

市長の一筆入魂(58)

 新潟に出張した帰り道、お隣村上市の道の駅朝日に立ち寄った。鼠ヶ関への移転整備が計画されている本市の新たな道の駅にはどんな商品が並ぶのだろうかと思いつつ、久しぶりに甘いものが食べたくなり笹団子を手に取った。


 10月14日、コロナで延期となっていた鹿児島県曽於市との友好都市姉妹盟約20周年の記念式典を行うことができた。戊辰の役で激しく戦ったかつての敵同士。鹿児島県旧大隅町の「ふるさと歴史探検隊」が、先祖たちが戦った旧温海町関川を訪問したことから交流が始まった。曽於市立笠木小学校からはサツマイモの苗が届き、福栄(現あつみ)小学校からは雪が贈られ、交流は未来へ続く。


 11月4日、温海地域の自治会長の皆さんと令和9年度を開業目標としている新道の駅についての意見交換を行った。温海地域には、焼畑あつみかぶ、越沢三角そばをはじめとする在来作物や、鼠ヶ関などで水揚げされる海産物、しな織など魅力的な地域資源がある。あつみ旬菜会が設立されるなど今後を見越して産直体制を強化する動きも出ている。現在、2本目のトンネル工事が進められている日沿道が開通すれば交通量は1・8倍になると見込まれ、温海地域のみならず、本市にとっての大きなチャンスだ。日本海沿岸の山形県側の入り口となる新道の駅は現在の道の駅「あつみ」しゃりんと比べ施設規模で1・3倍に、売上げは1・5倍の5億円を目標としている。意見交換では新道の駅にインスタ映えするオブジェの設置を、など具体的な提案が行われた。地元からの多様な参画の機会をきめ細かく作っていくことを含め、温海庁舎と道の駅整備推進室が連携して取り組んでいく。また、温海地域の産業振興に貢献してきた現道の駅の人財を含め、引継ぎが円滑に進められるよう注視していきたい。


 和を以て貴しと為す。10月30日に出羽・大和歴史劇交流公演を鑑賞した際、改めてこの言葉が伝えることの重要性を考えさせられた。遠く聖徳太子、蜂子皇子ゆかりの奈良県明日香村からお越しになったあすか劇団「時空」、そして地元の出羽庄内市民ミュージカルの皆さんの熱演から、「和」への思いがますます強くなった。


 コロナが再拡大の兆しを見せる。文化の日の朝にふさわしくない警報が鳴り、欧州での戦火はいまだやまず。学童と合築される朝暘五小の整備や、「致道館」となる県立中高一貫校の改修、加茂水族館のリニューアルなど、公共施設の整備についても資材価格の高騰の影響が忍び寄る。課題を直視し、解決を図る行政が一層求められる。明年は月山卯歳御縁年、早く世界の争いが終結し、和の年が訪れますように。


皆川 治

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