広報つるおか2021.5月号
更新日:2021年4月30日
市長の一筆入魂(40)
ようこそ鶴岡市役所へ。4月1日の鶴岡公園の桜の開花とともに市役所に入庁した新規採用職員の皆さんに、翌日の研修で私は語り掛けた。そして、皆さんはもうお客様ではない、と続けた。
若い頃、仕事は3日で覚えるように、と先輩に教えられた。いつまでもお客様のままでは市民の皆様に良いサービスは提供できない。まして今はコロナ禍、組織の一員として、ちょっとした気の緩みが個人だけでなく組織全体の信用を失うことになる。感染症対策と社会経済対策の両立が求められる難しい対応が続く中、新人の皆さんにはできるだけ早く職場に慣れ、先輩の仕事に追いついてほしい。
本市宝田に公設民営(DBO)方式の新たなごみ焼却施設が完成した。128億円を要した大事業の供用開始の過程で、平成の大合併からの宿題とも言える、懸案となっていた三川町との受委託協議についても決着させることができた。また、ごみを焼却した熱を利用した発電についても、系統接続できない状況は解消され、市内の小・中学校に供給する「電力の地産地消」につなげることができた。
4月17日、鶴岡青年会議所とともに、ゼロカーボンシティ宣言を行った。私は、ただ宣言するだけではない、ということにこだわってきた。そこで、このタイミングで本市のごみ発電のうち、構内で使用する自家消費電力に含まれる、バイオマスを利用した部分の「環境価値」を証書化し、「グリーン電力証書」として売却することを発表した。廃棄物処理施設としては、全国の自治体で豊田市に次ぐ2例目の取り組みである。各種の宣言や協定などでは、抽象的な内容、スローガンにとどまるケースが散見される。宣言を行って、協定を締結して具体的に何に取り組むのか、実践がなければ市民生活の向上にはつながらない。政策は市民のためのもの。市民の皆様や企業・団体の皆様の課題解決、そして日本、世界に貢献できる宣言にしていきたい。
3月下旬、国立がん研究センターとの連携2期プロジェクトについて、地方創生推進交付金の採択内示のご連絡を頂いた。そもそもこの取り組みは国の機関の地方移転の取り組みであるのだから、本来は国がその財政上の措置について責任を持つのが筋である。したがって、補助金や交付金の採択うんぬんという次元の話ではないはずだ。とはいえ、1期プロジェクトの単純延長ではない工夫を行い、吉村知事とともに内閣府副大臣にオンラインで取り組みの意義を訴え、厳しいとされた採択にこぎつけたときは、素直に安堵した。
「一生懸命だと知恵が出る、中途半端だと愚痴が出る、いい加減だと言い訳が出る」。新人職員の皆さんへの市長講話の際には、若いときに赴任した九州で出会った言葉を紹介している。鶴岡での新たな仕事を開始した全ての皆さんに、業界のため、社会のため、そして郷土のために働けるすばらしさを感じ、地域の発展に大きく貢献し、羽ばたいていただきたい。
皆川 治
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