広報つるおか2025.6月号
更新日:2025年5月27日
市長の一筆入魂(88)
我が家に、春のお祭りの季節になると飾られるびょうぶがあった。加藤清正公・忠廣公ゆかりの地である櫛引地域丸岡から伝わったものだという。
4月25日、成澤教育長とともに熊本県熊本市を訪問し、相互交流に係る連携協定に署名した。本市と熊本市では、加藤清正公・忠廣公とのご縁から、長い間、相互の信頼と尊敬を礎とした民間交流が育まれてきた。昨年6月には、大西熊本市長からご来鶴いただき、防災に関する講演会を開催したほか、本年2月には布川前教育長が熊本市を訪問している。
こうした友好関係を礎として、歴史、文化、教育など、両市の経験や知見を共有することにより、両市の振興を図るとともに、双方が抱える課題解決への取り組みを推進することを目的として、相互交流に係る連携協定を締結することとなった。今後、これまでの民間交流に加え、新たに熊本市立壺川小学校と櫛引西小学校、熊本市立京陵中学校と櫛引中学校、熊本市立熊本博物館と鶴岡市立図書館などとの双方向の対話、交流を推進していくこととしている。
今年は、平成の大合併から20周年の節目の年。本市の各旧市町村では、歴史に根差した都市交流の盟約を締結してきたが、旧櫛引町では具体的な盟約までには至ってこなかった。今般の協定に基づく官民における多様な分野での交流の先に、更なる展望が開けることを期待したい。
ゴールデンウィークの5月4日、5日、妻の故郷である宮城県石巻市を訪問した。東日本大震災の前日に他界した義父のお墓参りに行き、災害復興住宅で暮らす義母に会うことができた。その際、これまでずっと行けなかった場所を訪問した。震災遺構となっている旧大川小学校の校舎である。ねじり倒された渡り廊下は、地震、津波が生み出す力をまざまざと示していた。
大川小学校のあった釜屋地区は、北上川の河口から離れており、津波や水害とはしばらく縁のなかった場所だったという。津波が押し寄せた校庭から避難に向かってほしかった裏山までは、ほんの僅かの距離のように思われた。まさか大津波が地域を丸ごと飲み込んでしまうとは。もうあの日あのときは帰らないことを、ただただ感じ、祈るしかなかった。
石巻から戻った翌日の5月6日、鶴岡まちなかキネマで、その大川小学校をテーマとした2本の映画を鑑賞した。3月11日のあの日、私は石巻市の日和山から津波の猛威を目の当たりにしていた。私も、まさかあそこまで猛烈な津波が押し寄せてくるとは思いもしなかった。歴史、教訓から学び、未来の命を守る、その遺構、映画は語り掛けていた。
皆川 治
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