広報つるおか2020.2月号
更新日:2020年2月6日
市長の一筆入魂(25)
1月12日、令和の新時代の故郷を担っていただく新成人を祝う式典を開催した。会場の荘銀タクト鶴岡に到着すると、着物を着た華やかな姿、大勢の若者の姿が目に入ってきた。致道館を背景に写真を撮影しているグループもいる。控室で待機していると、「新成人の集合が遅れているため、式の開始時間が若干遅れそうだ」との連絡が入った。何かあったのだろうか、そういえば、いつもよりも外にいる人が多かったな、と心配になった。
新成人の集合が遅れた原因の一つとして考えられたのは、記録的な暖冬だ。今年は雪がほとんど降っていない。久しぶりに再会した新成人たちは、例年であれば屋内で旧交を温め合うところ、今年は屋外でも寒くない。市の除雪費用は減るかもしれないが、作業をお願いしている建設業者さんやスキー場の収支が気になる。禍福はあざなえる縄のごとし、物事には表があれば裏がある。
今年の新成人の中学校卒業時の人数は1、244人。山形県沖地震の翌年、そして、東京オリンピック・パラリンピックの年に20歳を迎えた世代として、好むと好まざると、歴史に記憶されることになるだろう。AI(人工知能)、5G(第5世代移動通信システム)、時代のスピードをさらに加速する技術変革の波。私も若手の市長などと言われるが、これからを担う次の世代の意見をしっかり取り入れなければ、良い仕事はできない、といつも考えている。少子化の中、働き方改革と生産性の向上を両立させるためには、若い世代の創造的な知見と社会参画が不可欠だ。平成から令和へ、これからは新成人の皆さん、「あなたたちの時代」なのだ。
期待される若い世代、一方で、何をなすべきか、「生きる意味」を求めて、悩んでいる人もいるだろう。『夜と霧』の作者・フランクルは、「人間が人生の意味は何かと問うよりも先に、人生の方が人間に問いを発してきている」という有名な言葉を残している。
人生の目標は何か、「生きる意味」を求めて思い悩む、学生時代の私もそうだった。「人生の目標や、何をなすべきか悩む必要は本当はない。全ての人は、生きている中で、その人生から発せられる問いを発見し、毎日誠実に答えていけばいいのだ」というのが、フランクルの考え方だ。今現在、経済的に恵まれている人も、苦労している人も、障がいのある人も、ない人も、「どんな人生にも意味がある」、だから悩む必要はないよ、名著は、時代を越えて語り掛けて来る。
令和の年末、本市農業委員会職員が酒気帯び運転で逮捕、免職となった。重大な事案であり、市民の皆様に改めておわび申し上げる。公私を問わず、公務員としての法令順守は当然のことである。他方で、年末、免職で職場を去る職員には、周囲ができるだけ手伝ってあげるようにもお願いした。人生の過ち、苦い経験、罪を憎んで人を憎まず。人はいつでも飛び方を変えられる。新成人の皆さん、これからの地域を担う大人として、次は時間を守ってくださいね。
皆川 治
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