広報つるおか2023.1月号
更新日:2022年12月27日
市長の一筆入魂(59)
「歌舞伎のものまねをしていただけなんです」。当時鶴岡二中に通っていた少年を恩師が見守っていた。
12月11日、シルクノチカラ2022で見事な歌舞伎を披露してくれた中村橋吾さん。「夢を叶えたんだね」、ステージの合間に花束を届ける恩師と再会。歌舞伎に魅せられた少年は、その後歌舞伎の世界に飛び込み、荘銀タクト鶴岡の開館記念の舞台に上がることに。
子供たちが好きなことを思う存分やれる街に。「子育ての街」について問われたとき、私はそう答えた。
スキーを頑張るという子供もいるだろう。12月3日、湯殿山スキー場の新第2ロマンスリフトの竣工式に参列した。平成30年度に、老朽化した旧第2ロマンスリフトが廃止され、スキー場の顔である正面ゲレンデに直結するリフトがない状態に。地元のスキー関係者から早期再建を強く訴えられていた。そのときの「スキー場は子供たちを育てるために必要だ」という言葉が胸に刺さった。過疎地域の朝日地域にとって、スキー場は単なるレジャー施設ではない。地域に雇用を生み、正面ゲレンデで数多く滑ることができる環境が子供たちを鍛えてきた。
また、今年度の高山樗牛奨励賞を受賞した齋藤文音さん(朝暘二小6年)は、幅広い分野の新聞記事との対話を続けてきた。明治の文豪・高山樗牛先生や、丸谷才一先生、藤沢周平先生、佐藤賢一先生、絵本の土田義晴先生など、鶴岡はすばらしい作家を生み出している。先人を超えていく子供たちがいつか生まれてくるだろう。
だだちゃ豆や焼畑あつみかぶなど在来作物をつなぐ人、おいしい料理を作る人、世界一のクラゲの水族館の飼育員になりたい人もいるだろう。スパイバーなど魅力的なベンチャー企業を生むサイエンスパークで働くという選択肢もある。鶴岡に行けば夢が叶えられる、人を惹きつける街にしていきたい。
師走、新たな産業用地開発のための説明会を行った。製造業などが立地するための産業用地は約170haあったが、交渉中のものを除けば残り約4haになっており、企業立地の受け皿となる用地の開発が急務となっている。同時に本市の基幹産業である農業の振興を両立させていくことに力を入れていく。
子供を育てる、とは言いながら、子供たちに親にしてもらった。シルクガールズコレクションを鑑賞しながら、そんなことを考えていた。
あなたの夢はなんですか。思い切って挑戦する子供たちにエールを、令和5年が夢の広がる1年となりますように。
皆川 治
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