広報つるおか2024.1月号
更新日:2023年12月26日
市長の一筆入魂(71)
天から降った雨を山が受け止める。山に染み込んだ雨が、小さな流れとなって、やがて川となり、平野を潤す。そして海へ。水はまた空へ。
11月28日、市災害対策本部を開催し、西目地内の避難指示を全て解除した。元旦を迎えようとしていたときに起こった突然の災害。本格的な雪の季節を迎える前に、避難を余儀なくされていた方々の帰宅の道筋をつけることができほっとした。大きな山、小さな山、山の恵み、水を利用してきた本市には土砂災害警戒区域に指定されている箇所が1015か所もある。住家に影響が出る可能性のある個所は757か所。計画的な点検を行うとともに、住民の皆様との情報共有、災害の未然防止に取り組んでいきたい。
12月9日、プロバスケットボールBリーグの公式戦が本市では初めて開催された。子供たちへのバスケットボールの人気は高く、種目別に見たスポーツ少年団の数(24団)、団員数(約450人)は、サッカーを上回り、最多となっている。その日はスポーツ少年団の大会が重なっていたため、子供の観客が少なかったが、翌日の日曜日は、多くの子供たちが見守る中、B1への昇格が有力視される強豪・アルティーリ千葉を相手にパスラボ山形ワイヴァンズが熱戦を繰り広げた。
同9日は、大黒様のお歳夜。黒豆料理や大根料理、ハタハタを食べる日として受け継がれている。振り返れば、猛暑の夏、農林漁業に天候の異変が直撃した年だった。以前は岸壁に押し寄せたハタハタをたくさんもらい、湯上げにしたりして食べたものだが、今年はもはや高級魚の様相。豊作と豊漁を願わずにはいられなかった。
新型コロナウイルスから日常を取り戻した卯年から辰年へ。行事も増え、慌ただしく年が改まる。平和に初日の出を迎えられることの有り難さ。西目の土砂災害から1年の大みそか、現地を訪問した後、羽黒山頂での松例祭に伺い、庄内平野の平穏と発展を祈ることとした。
子供たちとの新春座談会で、市長の仕事はどんな仕事ですか、と尋ねられた。朝出勤し、市が抱える課題を解決するために打合せを行い、現場に出向き、市民目線で事案に向き合う。日々の積み重ねと、組織的に仕事を行うことを大切にしてきた。時にはまさか、思わぬことにも直面してきた。山と海を守ることは暮らしを守ること、出羽三山と庄内平野、日本海に抱かれたこの地の利を活かす使命を引き継いできた。
翔破。鶴岡中央ライオンズクラブの結成25周年の際、書道家が力強く書いた文字を思い出す。龍のように殻を破って翔(かけ)昇る年となることを祈る。
皆川 治
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