広報つるおか2019.9月号
更新日:2019年8月29日
市長の一筆入魂(20)
8月9日の甲子園球場。鶴岡東高校が、春の選抜に出場した強豪・高松商業と激突した。
甲子園に到着すると、既に地元からの大応援団に加え、故郷を愛する関西山形県人会の皆さんが、今か今かとプレーボールを待っていた。試合開始前に、「夢が叶った」と涙するチアダンス部の生徒さんを、顧問の先生が「本番はこれからだよ」と励ましている。応援をリードする吹奏楽部員の晴れ姿を写真に収める保護者の皆さん。同級生の雄姿を応援したいと参加した大学受験を控えた特進科の生徒さん。一つの試合に重なるそれぞれの人生。
全国各地から選手が集まる鶴岡東高校。野球部員を応援する保護者の会話には時々関西弁が混じる。2点先行されて迎えた5回表、逆転のヒットを放ったのは地元・鶴岡一中出身の丸山蓮選手だった。全ての選手の活躍を期待しつつ、丸山選手の打席では、他の選手以上に一球、一球に、「打ってくれ」と祈る自分がいる。表敬訪問してくれた際の寡黙な彼とは違った、力強い姿がそこにはあった。
鶴岡一中での3年生の夏、私の役割は3塁コーチャーだった。野球は9人だけのスポーツではない。ベンチの選手、ベンチに入れなかった部員、応援する家族、仲間、地域のつながりがチームの強さとなる。昨夏出場の羽黒高校の応援は、宿舎を訪問することも検討したが、日程が合わず断念。遠い夢だった甲子園に市長として連れて行ってくれた鶴岡東高校の皆さんに感謝の気持ちで一杯だ。山形県沖地震からの復旧に取り組む中、全ての市民に感動を与えてくれた試合だった。
8月8日の深夜、実は、東京の救急外来にお世話になった。朝まで我慢しようと思ったのだが、腹痛で寝られず、タクシーを呼び病院に向かった。疲れもあったのかもしれない。甲子園の応援の前には、JAと連携しただだちゃ豆の売り込み、森林境界明確化と地籍調査の関係の整理、関西と庄内を結ぶバス会社への観光PRなど慌ただしかった。診断の結果は、胃や腸への感染によって腹痛が起こる急性胃腸炎。自然に良くなるものだと分かり、薬を処方してもらい、ほっとしてホテルに戻った。
8月10日は結婚式へ。乾杯の発声の際、前日の甲子園での投手交代のタイミング、監督の決断の話をさせていただいた。生涯の伴侶となる結婚相手を決める決断。人生は決断の連続だ。山形県沖地震への対応の際にも様々な決断を迫られた。新たに整備するごみ焼却施設の売電事業にもめどがついた。今年のお盆休みは次に備えて少し休もう、そう教えてくれたのも憧れの甲子園だった。
皆川 治
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