広報つるおか2024.7月号
更新日:2024年6月26日
市長の一筆入魂(77)
蛍当番が始まった。夜8時の蛍の観察。6月8日は、空高く舞い上がる3つの光を見つけ、いよいよ夏だな、と思いながら、カエルの鳴く田んぼ道を歩いた。
その翌日(9日)は、早朝から集落の草刈りへ。昼前には、開設30周年を迎えた出羽庄内国際村のワールドバザールへ向かった。
平成18年(2006)から平成21年(2009)にかけて、私は、米国の中西部イリノイ州シカゴで「外国人」として暮らした。言葉の苦労も多かった。その経験を経て、現在、国際村を運営する出羽庄内国際交流財団の理事長となり、本市の国際交流と多文化共生社会の推進の責任者となったことには、ご縁を感じている。米国に住んだ際に、子供たちが母国語に次ぐ第2言語(セカンド・ラングウエッジ)としての英語を教わったように、鶴岡に暮らす、訪れる外国人の皆様のために、「やさしい日本語」の普及を進めていきたい。6月下旬には、姉妹都市ニュージャージー州ニューブランズウィック市を訪問することとしている。本来は令和2年(2020)に盟約60周年で訪問する予定もコロナ禍で叶わず、仕切り直しの訪問から、子供たち同士の対面交流にもつないでいきたい。
羽越本線が全線開通し、7月31日に100周年を迎えるなど、本年は様々な節目が重なる年だ。江戸川区からの学童疎開を受け入れて80周年という節目の年でもある。戦火を逃れ、疎開先で育まれた交流を大切にし、心を寄せ続けてくださった江戸川区民の皆様との友情と平和の尊さを改めて感じている。
「其恵不忘」。市長室に掲げられた「その恵み忘れず」の額は、元江戸川区長で鶴岡市名誉市民でもある故中里喜一氏から贈られたものだ。厳しい時代をともに生き、感じた、人々の温かさを決して忘れない、交流の礎となった先人たちの心が記されている。
昭和56年の友好都市盟約締結以降は、平成2年に西葛西に鶴岡市東京事務所を開設させていただくなど、首都圏における本市の食文化や観光のPRについても、江戸川の皆さんに大変お世話になってきた。今後も江戸川区との絆と交流を基盤として首都圏での活動を展開していくため、80周年の節目の江戸川区役所や鹿本小学校への訪問を大切にし、両区市の住民の交流がなお一層深まるよう取り組んでいきたい。
敬老会や体育祭、各地区で活発に地域行事が展開されている。100歳を超えてなお凛とした姿に背筋が伸びるとともに、斎地区の体育祭に伺った際には、児童を代表して選手宣誓をした薄衣一華さんの真剣でまっすぐな姿勢に感銘を受けた。人々の心に届く、真心をもった言葉、仕事に、努力しなければと、決意を新たにした。
皆川 治
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